MEDIVA健康コラム

体によくておいしい魚の油

2017年01月26日(木)

年が明けてから、寒波が到来するなど本格的な寒さを感じる日も出てきました。
鍋物など体の温まるメニューが恋しい季節ですね。鍋物の具材としてもおいしい冬の魚の
タラやフグ、アンコウ、ブリ、マグロなどが旬を迎え、『寒』をつけて呼ばれるブリやサ
バなどの魚は、寒さが深まる程に脂がのって身が締まり旨味が増してきます。

今回は体によくておいしい魚の油についてお伝えしたいと思います。
私たちが普段の食事で摂っている油は色々な種類がありますね。
牛肉、豚肉、鶏肉、バターなどに多く含まれていて摂り過ぎると血中コレステロール値が
上がり動脈硬化を引き起こすリスクがあるといわれている油、一方、魚油や植物からとれ
るオリーブオイル、えごま油などに多く含まれていて血中コレステロールを減らして動脈
硬化の予防になるといわれている油などがあります。
魚の油としては特に、青魚に多く含まれるDHAやEPAが良く知られおり、特に積極的に摂り
たい油の一つです。生活習慣病予防のために1日1食は魚を食べることを目標にできるとよ
いですね。

積極的に摂っていただきたい魚の油をもっとも効率よく摂る方法は、生で食べることです
。その理由は、魚の油は加熱により酸化しやすいということと、焼く、煮るなどの料理中
に流れ出てしまうことがあるためです。
今が旬のブリやマグロなどを生で食べる方法としては、お刺身が定番ですね。
ひと手間加えてカルパッチョにして味付けのバリエーションを増やしてみるのはいかがで
しょうか。
お刺身をオリーブオイルとゆずこしょうで和え、塩とレモン汁をかけてあっさりと仕上げ
たり、しょうゆとバルサミコ酢1:1に粗びき黒こしょう少々を加えたものと和えてオリー
ブオイルをかけたりすることで、脂ののったお刺身を一味違った美味しさで楽しむことが
できます。
そのほかに、効率よく油ごと食べる料理法としては、ホイル焼にする、汁物に入れる、サ
バやさけなどの水煮缶を汁ごと利用する方法もおすすめです。
また、ご飯にブリなどのお刺身、つまの大根やしそを刻んだもの、お茶漬けの素、わさび
を入れてお茶漬けにすると、寒い時期に嬉しいあつあつのメニューが手軽にできます。

そうは言っても、ご家族に小さなお子様や魚が苦手な方がいらっしゃると、魚のメニュー
を敬遠しがちだ、レパートリーがあまり増えないというお声を耳にすることがあります。
魚が苦手な理由としては、骨やくさみがあることではないでしょうか。
お子様や魚の苦手な方にも食べやすいメニューの例として、衣をつけて調理する(ピカタ
や竜田揚げ、唐揚げ、蒲焼きにする)、くさみを感じにくくする食材や調味料とあわせる
(カレー粉や青のりをまぶす、磯辺巻きにする、チーズやマヨネーズを少し加えたマッシ
ュポテトをのせてオーブンで焼く、卵でとじる)、ルーを使った料理に入れる(カレー、
シチュー、グラタンなど)方法などがあります。
このような料理方法を取り入れながら、いつもの肉の定番メニューで、肉の代わりに魚を
使ってみてはいかがでしょうか。
カレーに肉の代わりにサバなどの水煮缶を入れると手軽に骨ごと食べられますね。
他にも、餃子をひき肉の代わりにマグロやアジなどの魚のたたきやみじん切りで作っても
おいしく食べていただけます。
餃子の具にしょうがのすりおろしやしそなどの香味野菜を多めに入れて、ゆでて水餃子に
し、つけだれをレモン醤油やポン酢にすると、くさみも感じにくくさっぱりと食べられま
す。

普段魚を食べる機会が少なめだなという方は、動脈硬化予防の為にも、ぜひひと工夫加え
て、食卓により多く魚料理を取り入れてみてはいかがでしょうか?

(管理栄養士 堀井智子)