MEDIVA健康コラム

冬野菜の代表 白菜

2023年12月08日(金)

12月に入り、今年も残りわずかですね。
最近では寒さも一段と厳しくなり、温かい食べ物が美味しい季節となりました。
今回はスープや鍋物などに欠かせない冬の食材、「白菜」について紹介します。

〇冬野菜の代表 白菜

白菜はアブラナ科の一種で、英語では「チャイニーズ・キャベツ」とも言われるように東洋を代表する野菜のひとつです。
日本では、日清・日露戦争で出兵した兵士が、種を持ち帰ったことで本格的に栽培されるようになったそうです。

白菜は、ほぼ1年中収穫できる野菜ですが、冬が旬になります。
白菜が最も美味しい季節は霜が降りる頃の晩秋から冬にかけて、丁度鍋料理が美味しくなる季節の11月頃から2月頃です。その時期、白菜はギュッと詰まり、甘みを蓄えより美味しくなります。

〇白菜のうれしい効果

白菜には様々な栄養素が含まれています。
白菜を食べるとどのような効果があるのでしょうか。

・ビタミンCで美肌、免疫力アップ

ビタミンCには、皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ作用や、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める働きがあります。 また、抗酸化作用があり、がんや動脈硬化の予防や老化防止に有効であることが期待されています。寒さで免疫の下がりやすくなる冬場にぜひ摂りたい栄養素です。

・カリウムで高血圧予防!

カリウムには、体内で過剰になったナトリウム(塩分)や水分の排出を促す働きがあります。そのため高血圧予防やむくみの改善に効果的です。

・食物繊維でお腹の調子を整えよう

食物繊維には、便秘予防や腸内環境を整える働きがあります。
また、脂肪や糖・余分な塩分を吸着し身体の外に排出する働きがあり、生活習慣予防にも効果的です。

このように、さまざまな健康に良い効果が期待できます。

そして、なんと言っても低カロリー!
白菜100gあたりのエネルギーは約14㎉なので、たくさん食べても罪悪感がありません。
鍋物や蒸し物などにして熱を通すとかさが減り量も食べられるので、野菜不足が心配な時にもおすすめです。

〇おいしい白菜の選び方

丸ごと購入する場合は、持ったときにずっしりと重みがあり、葉先まで巻きがしっかりとしたものを選びましょう。
具体的な見分け方のポイントをご紹介します。

・芯
白菜の芯は下から見たときに、軸が500円玉くらいの大きさのものがベスト。栄養をほどよく吸収し、自然な速度で育った証拠です。反対に、大きすぎるのは育ちすぎていて葉がかたくなっていたり、水気が少なくなっていたりすると言われています。

・葉

外側の葉が左右対称なものを選びましょう。均等に栄養が行き渡っている証拠です。
また、1/4や1/2にカットされている場合、切り口の葉が黄色いものを選びましょう。
黄色の方が古くなっていると思われがちですが、カット後の切り口は黄色から緑色に変色していくため、黄色い方が新鮮であることが分かります。
また、葉の間に隙間がなくぎっちりと詰まっているものを選ぶようにしましょう。密集した状態の白菜は甘くておいしい状態だと言えます。古くなると切り口も盛り上がってくるので、断面が平らなものにしましょう。

ときどき、白い葉や芯の部分に黒い点があるのを目にしたことはありませんか。これは「ごま症」という野菜の生理障害と言われています。育つ際の様々なストレスで色素(ポリフェノール)が蓄積して黒い斑点状になることがありますが、食べても身体に害はありません。

〇部位に合わせて使い分けよう


白菜には大きく分けて4つの部位があり、それぞれ甘みや固さが違います。
特徴にあった調理をすることで、よりおいしく食べられるのではないでしょうか。
おおまかな特徴を確認してみましょう。

〇白菜を使った冬のおすすめレシピ

① 冬の定番!ミルフィーユ鍋

<材料(2人分)>
白菜1/4(約200g)
豚ロース200g
鶏がらスープの素小さじ2
<栄養成分値(1人当たり)>
エネルギー:282㎉
たんぱく質:20.5g
脂質:19.4g
炭水化物:4.1g
塩分:1.3

《作り方》

1.白菜を1枚ずつはがし、白菜と豚肉を交互に4段程重ねる。
2.食べやすいサイズにカットし、鍋に敷き詰めていく
3.水約300㏄を具材が浸かるまで入れ、鶏がらスープの素を入れる。
4.全体に火が通ったら完成。お好みでポン酢をつけて食べても〇
☝豚バラには脂質量が多いため、今回はロースを使い紹介しました。


② カルシウムも野菜も摂れる!白菜と鮭のクリーム煮

<材料(2人分)>
白菜1/4(約200g)
鮭切り身2枚(1切れ60g)
しめじ1/2袋
サラダ油小さじ1
薄力粉大さじ1
バター1片(10g)
コンソメ小さじ2
牛乳300㏄
塩コショウ少々
<栄養成分値(1人当たり)>
エネルギー:285㎉
たんぱく質:21.2g
脂質:15.3g
炭水化物:17.4g
塩分:1.5g
カルシウム:215mg

《作り方》

1.白菜・鮭は食べやすい大きさにカット。しめじは手でほぐしておく
2.熱した鍋にサラダ油をひき、鮭に焼き色が付くまで焼き、白菜としめじを入れしんなりするまで炒める。
3.2に薄力粉とコンソメを入れ、全体をサッと混ぜる
4.牛乳、バターを加え、とろみがつくまで加熱し、塩コショウで味を調えたら完成

☝鮭を鶏肉に変えるなどもアレンジも◎
☝1日に摂取するカルシウムの必要量は年齢や性別によっても異なりますが、成人男性で約650mg、成人女性で約550㎎とされています。このレシピでは1日の必要量の約1/3のカルシウムを摂ることができます。カルシウムは小松菜やホウレンソウ、ブロッコリーなどにも多く含まれますので、色の濃い野菜をプラスしても良いですね。


使い勝手が良く、様々な嬉しい効果がある白菜。
美味しい旬の時期に色々な料理でいただき、寒い冬を乗り越えましょう!
株式会社メディヴァ 管理栄養士

【引用・参考文献】
・JAグループ 耕そう、大地と地域の未来「秋・冬の旬野菜 ハクサイ」
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=10
・旬の食材百科
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/hakusai.htm
・愛は食卓にある kewpie「白菜の選び方」
https://www.kewpie.co.jp/recipes/knowledge/article/16/page02/#
●農林水産省「過去の相談事例」
・独立行政法人農畜産業振興機構「はくさいのゴマ症について」
https://www.alic.go.jp/content/000110775.pdf
・日本人の食事摂取基準(2020年度版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
・内田悟のやさい塾 旬野菜の調理技のすべて 保存版 秋冬
【出版】KADOKAWA/メディアファクトリー