MEDIVA健康コラム

もしもの為の缶詰ストックで手軽に栄養プラス

2016年12月28日(水)

2016年もあとわずかとなりました。
今年の片づけは今年のうちに!ということで、大掃除を始めた方もいらっしゃるの
ではないでしょうか。

台所の隅にストックしてある缶詰や、普段開けない災害用のリュックサックにしまっ
てある食材を見てみると、保存がきくと思っていた食材の賞味期限が意外と迫ってい
た、ということも多いものです。

もしもの時の保存食は、賞味期限が切れる前に使いきり、新しいものを補充する、と
いうサイクルを定着させると、万が一の時に賞味期限が大幅に切れていた、というこ
ともなくなりますし、普段食べ慣れているものですと、災害時も安心して食べること
ができます。

開封後すぐに食べることができるものから、調理を加えて食べるものまで、水や熱源
等のライフラインの復旧状態によって対応できる準備をしておくと安心です。

ごはんやパンなどの主食や、魚や肉や野菜のおかずも、缶やレトルトで数日分確保し
ておきましょう。

もしもの時に備えて缶詰を買いはじめた方も、ツナやコーンやトマト缶は使ったこと
があっても、その他はあまり馴染みがなかったりすることもあります。
においや味などに関して、ネガティブな先入観がある方もいらっしゃるようですが、
実際に食べてみるとイメージが変わる方も多いので、是非この機会に、普段の食卓に
のせてみてはいかがでしょうか。

そのまま食べても、おつまみになったり、お弁当のおかずになったり、手軽で便利で
すが、普段の料理も缶詰を使うと、時間短縮になったり、バリエーションが増えたり
と、便利でかつ、栄養バランスアップにもつながります。

特に、魚の缶詰はおすすめです。
魚料理は下処理に手間がかかるものが多いので、料理好きな方でも、時間に余裕があ
るときにしか作らなかったりしますが、缶詰は開封後そのまま使えるので、ついつい
肉料理に偏ってしまうとき等に重宝します。

魚(特にイワシやサバ等の青魚)の脂(アブラ)は、コレステロールや血圧など、生
活習慣病の予防や改善につながるといわれていますので、魚を食べる頻度が少ない方
は、是非試してみてはいかがでしょうか。

一般的なスーパーやコンビニに売っている魚の缶詰としては、蒲焼やみそ煮等の味付
きの種類が多いのですが、鮭やサバ、さんま等には水煮もあります。
素材の味でシンプルな為、他の材料とも合わせやすく、肉の代わりに使ったり、アレ
ンジがしやすい食材です。

また、骨まで食べることができるくらい軟らかく加工されているので、カルシウム補
給にもなりますし、小さいお子様や高齢者でも安心して食べることができます。
これらをトマトソースの具にしたり、ネギ等の野菜やきのこと一緒に炊き込みごはん
にしたり、そのまま皿に盛り、スライスオニオンや小ネギ、大根おろし等をのせれば
すぐに出せるおつまみになります。

そのままでも美味しい焼き鳥は、いつも冷蔵庫にある玉子と玉ねぎを使って、手軽に
親子丼にアレンジもできます。

ひじきの缶詰は、青菜などの野菜と一緒にごま油等で炒め、すりごま等と共に味を調
えると、栄養たっぷりの副菜になります。

ツナやスイートコーン缶でしたら、加熱したみじん切玉ねぎとブラックペッパーと共
にホットケーキミックスを使って焼けば、お子様のおやつや朝食にぴったりのおかず
系のホットケーキになります。

缶詰を普段の食事にうまく取り入れ、使ったら、新しい缶詰めを買い足し、またスト
ックにする、というサイクルを定着させることで、災害時に備えられるだけでなく、
少ない手間で栄養バランスもアップすることができ、一石二鳥となります。

いつ誰が巻き込まれてもおかしくない災害、備えあれば憂いなしです。
缶詰ストックを買い足し使うサイクル、あなたも試してみませんか?

(管理栄養士 力石 愛)