MEDIVA健康コラム

帰りが遅い人の夕食

2016年09月01日(木)

夜遅い時間に食事をとることは良くないとわかっていても、お仕事の都合や家庭の事情で
、どうしても食事の時間が遅くなってしまうという方も少なくはないでしょう。

夜は昼に比べてエネルギーを消費する活動量が少なく、内臓脂肪が蓄積されやすくなるた
め、体重増加を招く要因となります。

また、食べてから眠りにつくまでの時間が短いと胃への負担を招きますので、翌朝の食欲
不振や朝食抜きにもつながります。

このような生活を続けることで、栄養のバランスが乱れ、体の不調を引き起こす要因にも
なります。

そこで今回は、夜遅くに食事を摂る際のポイントを2つお伝えいたします。

 

1.夕食を2回に分けて食べる

たとえば12時に昼食を楽しんだ後、夕食が午後 10 時とすると、約10時間の空腹を我慢し
なければなりません。
食事と食事の間隔が長くなるほど栄養の吸収が高まるため、エネルギー摂取量が同じであ
っても、食事の間隔が長い方が太りやすいと言われています。

また、空腹時間が長くなると、食べ過ぎやドカ食いの原因になります。
どうしても残業で夕食が遅くなる時や接待や会合などで遅い時間の外食が決まっている時
には、おやつタイム、もしくは午後 7 時頃などの早めの時間におにぎりやサンドイッチ
などを食べておく方法がおすすめです。

ただし、あくまでも 1回の食事を 2回に分けて摂っているということを忘れずに。夕方に
軽く食事をしたのに、帰宅後しっかり食事を食べてしまうと、これでは1日4回食事をして
いることになってしまいます。

夕方に軽く食事を摂ったら、帰宅後の夜遅い食事では温かいスープやカロリー控えめのお
かず(豆腐、白身のお魚、脂身の少ないお肉など)を選ぶようにしましょう。

腹8分目より少ない位が良いですね。

 

2.消化に良いものを食べる

眠気は、基本的には体温が下がるタイミグに合わせてやってきます。
そのため就寝時間が近づいたら体温を上げないようにすることが安眠へとつながります。
夜遅い時間に胃の中に食べ物が残っていると胃の消化活動が活発になるため、体温が下が
りにくくなります。
消化される時間は食材により異なり、揚げ物の消化にかかる時間は約4時間、ご飯やパン
などの炭水化物は2?3時間、脂の少ないたんぱく質(白身魚、卵の白身など)は2~3時間、野
菜は2時間ほどと言われています。

胃内停滞時間が長い食べ物は、睡眠の質を落とし、疲労の回復が不十分となる上に朝の食
欲が低下してしまいます。

さらに、消化不良になると胃腸への負担が重くなるだけではなく、必要な栄養が吸収され
にくくなります。

どんなに遅くとも22時までにはお食事を終えていただきたいですが、それが難しい場合は
なるべく消化時間が短いものを食べるようにしましょう。
どうしても22時を過ぎてから食事をする場合は、牛乳、豆乳、ヨーグルトを温めたものな
ど、固形物を避けた食品を選ぶことをおすすめします。

また、夜遅くに帰宅するということは肉体的にも精神的にも疲労が蓄積されてしまいます

疲労回復のためには、肉、魚、卵などのたんぱく質がとても重要となります。
ご飯は軽く1杯、麺は、いつもの1玉の1/2?2/3にして、半熟卵やとろろ等をのせて食べる
方法はおすすめです。

調理方法は、生ものより、火を通したものの方が消化に良いと言われていますので、火を
通し、油をあまり使わない調理法(蒸す・茹でる・煮る)を選ぶことをお勧めします。
たっぷりの野菜と豆腐を入れたスープ、蒸し野菜などです。

お魚を使った献立の場合は、ムニエルのようにバターを使う調理法ではなく、蒸してレモ
ンを絞って食べる調理法の方が胃内滞在時間は短くなります。

お肉を使った献立の場合は、脂身の少ない部位を選び、消化を助ける酵素が含まれている
おろし大根と一緒に食べることをおすすめします。

また、噛むことにより唾液が分泌されます。
唾液には消化酵素が含まれていますので、良く噛むことは消化に良いと言われています。

今一度『噛む』を意識して、一口30回を目標にお食事を楽しんでみて下さい。

 
是非、ご自身に合った方法で、できることから少しずつ始めてみませんか。
(管理栄養士 青木智沙紀)