MEDIVA健康コラム

食べ過ぎた後の食事について

2015年12月25日(金)

今年も残り少なくなったこの時期、クリスマスに忘年会、新年会とイベントごとが
目白押しかと思います。ここまで体重を気にしていた方もついつい気が緩み、気が
ついたら体重が増えていた!ということも多いのではないでしょうか。

ダイエットも体重維持も、とにかく継続が大切です。
でも、わかっていても思い通りにいかないのがこの時期。
今回は、食べ方の工夫と、食べ過ぎてしまったときもそこからどうやって立て直し
ていくのか、食べ過ぎのリセット方法をご紹介します。

ある調査によると、年末年始に体重が増えた人は約7割で、そのうち約6割が2〜3kg
体重が増えたというデータがあります。まさに「暴飲暴食」「身体を動かさない」
という年末年始の過ごし方に体重増加の原因があります。

大勢で食べる会食は食べる時間も長くなることで食事量が多くなり、
また、高カロリーのおせち料理やお菓子などの間食が増えることがカロリーオーバー
につながります。

●定番のおせち料理やアルコールを、例えばおせんべい(厚焼きしょうゆ直径8㎝
くらい1枚70kcalで計算:おせちとは栄養構成が異なるため、あくまでカロリーの目安)
や歩き(体重65kg平地を普通の早さで30分=100kcalで計算)に換算してみましょう。

<おせち料理・お餅>
・栗きんとん(栗2粒分約80g)約170kcal=せんべい2.5枚相当=約57分歩いて消費
・黒豆(約40g)約140kal=せんべい2枚相当=約47分歩いて消費
・だて巻き(2切れ)約110kcal=せんべい1.5枚相当=約37分歩いて消費
・昆布巻(3切れ約30g)約60kcal=せんべい1枚相当=約20分歩いて消費
・数の子(2切れ約25g)約40kcal=せんべい1/2枚相当=約13分歩いて消費
・たたきごぼう(4切れ約40g)約40kcal=せんべい1/2枚相当=約13分歩いて消費
・煮しめ(人参、しいたけ各1枚 ごぼう3枚)約30kcal=せんべい1/2枚相当
=約10分歩いて消費
・紅白なます(30g)約20kcal=せんべい1/3枚相当=約7分歩いて消費
・かまぼこ(2切れ約20g)約20kcal=せんべい1/3枚相当=約7分歩いて消費
・お餅(1個 50g)約120kcal=せんべい2枚相当=約40分歩いて消費

<アルコール>
・日本酒(1合 180ml)約200kcal=せんべい3枚相当=約67分歩いて消費
・ビール(コップ1杯 200ml)約80kcl=せんべい1枚相当=約27分歩いて消費

おせち料理は、保存がきくように塩分や糖分が多めに作られています。
その結果、カロリーも高くなりますので、食べる量に注意が必要です。
そうはいってもせっかくの晴れの日、カロリーを気にし過ぎても寂しいので、食べる順番
を工夫して楽しんでみてはいかがでしょうか。
たたきごぼうや煮しめ、酢の物などの野菜から食べることで血糖値の上昇が緩やかになり、
脂肪を作り出す素となるインスリンの分泌を抑えられるので、肥満予防につながります。
また、食物繊維が豊富な野菜を食べることで満腹感を得られ、食べ過ぎ防止にもなります。
甘味の強いもの(栗きんとんや錦卵、煮豆など)はデザート感覚で最後に食べるようにし、
更に食後の間食を控えることができれば、上手なおせちの摂り方になります。
お餅も血糖値を急激に上昇させるので、最後の方に食べることをおすすめします。

さて、ここからは、やっぱり食べ過ぎてしまった!体重が増えてしまった!
後の対処方法です。
まずは、体重測定をして何kg増えたのか、しっかり現状把握をしましょう。
測るのが怖いからと躊躇している間に、更に増えてしまうこともあります。
短期間で増えた体重は早めに戻すことが大切です。

●食べ過ぎた後のリセットポイント

1. 食生活リズムを戻す
 
年末年始中のダラダラ食いや、夜食・間食が普段の生活に戻っても続かないように
しましょう。
ハレの日の食事と普段の食事は別と考え、早く気持ちを切り替えることが大切です。

2. 肝臓や胃腸をいたわる食事を心がけよう
 
暴飲暴食は、思っている以上に身体に負担をかけます。
アルコールや脂ものを控え、消化の良い食べ物を摂ることで、疲れている肝臓や消化器官
を休ませてあげましょう。
お正月七日に食べる七草粥は、無病息災を祈って春の七草を入れたお粥を食べる風習ですが、
まさに身体をいたわるための先人の知恵といえます。
1月7日をリセット日にすることで、気持ちの切り替えもしやすいと思います。

3. 身体を動かす機会を増やす
 
特に、年末年始前までウォーキングや通勤時一駅歩いていたのに、バスや電車を利用する
ようになった…と、運動・活動習慣がなくなってしまうのは要注意。
短時間からでいいので、すぐに再開しましょう。もともと運動・活動習慣がないという方
は、これを機に歩く機会や階段利用を増やすようにしましょう。
(安全のために:身体を動かす時間は少しずつ増やす。体調が悪い時は無理をしない。
病気や痛みのある場合は医師などの専門家に相談を。)

食べ過ぎ、飲み過ぎたなと思ったら、2〜3日は野菜中心の軽めの食事を心がけ、
胃腸を休ませましょう。イベントを楽しみながらも、ちょっとした知識と意識が体重増加予防
につながります。

(管理栄養士 石田晴美)