MEDIVA健康コラム

理想的な油の摂り方とは?

2015年11月27日(金)

「アブラ」と聞いて、みなさんはどんなものを思い浮かべますか?

今年は、ココナッツオイルや亜麻仁油、えごま油など様々な油が話題になりました。
健康のために、と毎日の食事にとりいれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

では、どんなアブラが体に良いの?!…そのお話をする前に、そもそもアブラとは?
について考えてみましょう。

液体状のものを“油”、固形状のものを“脂”と表すことが多いのでここでは『油脂』
と呼ぶことにします。

油脂の主な栄養素は『脂質』です。そして、脂質の主な働きは主に2つです。

1つめは、からだを動かし、体温を一定に保つためのエネルギー源として働きます。
脂質は1g当たり9kcalのエネルギーがあります。
同じ量の炭水化物やたんぱく質(1g当たり4kcal)と比べると、2倍以上のエネルギー
(カロリー)を持っています。つまり、効率が良い栄養素ともいえます。

2つめは、からだを形作る材料となります。
わたし達のからだを形作っている細胞の膜や、からだの調整機能に関わるホルモンの
材料となります。

このように、脂質は私たちの身体にとっては、なくてはならない大切な栄養素です。
さらに、油に溶けることでからだに吸収される栄養素(脂溶性ビタミン)もあるので、
脂質を摂ることでそれぞれの栄養素が役割を果たしてくれます。

“油脂”と一言でいっても、色々な種類があります。その特徴ごとに分類してみましょう。

まずは、目に見える油脂と目に見えない油脂。

目に見える油脂には、常温で白く固まる脂と固まらない(液体状の)油があります。
白く固まる脂には、お肉の脂身やラード・バターなどがあります。残り物のおかずが
冷えて、一部が白く固まっていることを見たことはありませんか。これは摂りすぎる
と動脈硬化の促進などにつながりやすく控えた方が良い油脂です。

固まらない油には、魚の油や植物油などがあります。これは、適度に摂ると良い脂質
です。前者とは反対の働き、つまり動脈硬化を予防してくれます。

次に、目に見えない油脂とは、食品に溶け込んでいる油脂です。
これは目に見えないので、少し注意が必要です。例えば、ウインナーやハムなどの加工
肉製品、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、バターやマーガリン・ショートニングが材料
になっている菓子パンや洋菓子、インスタント食品やスナック菓子には、たくさんの油
脂が溶け込んでいます。揚げ物や炒め物は控えていても、目に見えない油脂を知らず知
らずのうちにたくさんとっていた、ということは防ぎたいですね。

質の良い油脂の選び方は、常温で白く固まる脂や目に見えない食品に溶け込んでいる油
脂を控え、常温で固まらない油を適度に摂ることです。質の良い油脂が自然にそろうコ
ツのひとつに、“和食中心”の食事を増やすことがあげられます。

例えば、朝食は『バターを塗ったパン、ベーコンエッグ』から『ご飯、卵焼き』に。
昼食は『インスタントラーメン』から『煮込みうどん』に。
夕食は『白い脂身がついたポークソテー、ウインナーが入ったポトフスープ、ポテトサ
ラダ』から『脂がのったさんま、野菜たっぷりのお味噌汁、ほうれん草のお浸し』に。

もうひとつのコツとしては、食事以外の間食の摂り方を工夫することがあげられます。
例えば、間食がクッキーやチョコレート・パウンドケーキ・シュークリーム・クリーム
パンなどの菓子パン類になっている方は、みかんやりんごなどの季節の果物にすること
で、目に見えない油脂を控え、果物に含まれているビタミンやミネラルを摂ることがで
きます。

油の摂り方は、“種類”と“量”がとても大切です。

様々な食品に油脂は含まれていますので、今の食事に体に良いという油をプラスするだ
けでは油脂を摂りすぎることにもつながります。どんなに質の良い油脂でも、摂りすぎ
ると肥満や動脈硬化あるいは、胃腸に負担をかけ下痢などの消化不良の原因にもなりま
す。脂っぽい料理を食べた後のお酒のお供がピーナツ菓子やミックスナッツになってい
る方は『おしゃぶり昆布、茎わかめ』などにすることで油脂の摂りすぎを控え、海藻に
含まれる食物繊維やミネラルを摂ることもできます。

どんなアブラが体に良いの?!の答えですが、
理想的な油の摂り方とは、ある特定のアブラに頼るのではなく、様々な食品に含まれる
油脂のことを考えた食材・メニュー選びになりますね。

                            (管理栄養士 脇山 薫)