MEDIVA健康コラム

“食欲の秋”と上手につきあう間食のとり方

2014年09月30日(火)

9月に入り暑さが涼しさにかわり過ごしやすくなってまいりました。
昔は田んぼや山々の様子から季節を感じとってきましたが、最近は、季節を感じる
場所がコンビニやスーパーに変わってきたのではないでしょうか。

特にお菓子コーナーでは、秋にちなんでさつま芋や栗を使った季節限定の商品が目立つ
ように陳列してあり、ついついカゴに入れてしまいます。

“食欲の秋”なんて言葉もあるくらい食事や間食の量が増えやすい季節でもありますね。

そこで今回は、間食のとり方によって食事の食べ過ぎを防ぐ方法をお伝えします。

さて、間食というと甘いケーキやチョコレート、せんべいなどのお菓子を思い浮かべる方
も多いかもしれません。お腹が空いているわけでもないのについつい目の前にあると
「別腹」と言って口に運んでしまうことはありませんか。

甘いものを食べると、脳で幸福感をもたらす物質が分泌され、食べようという意欲が出て
くるのです。実際に食べていなくとも、甘さやおいしさを想像するだけで、この物質は出
てくるため、ついついお菓子に手が伸びてしまいます。

しかしお菓子は思った以上にカロリーの高いものがほとんどです。

一般に洋菓子は砂糖や小麦粉など糖分のあるものとバターや生クリームなど脂肪を多く含む
ものが使われているため、ショートケーキ1個でご飯1杯分もしくはそれ以上のカロリーが
あります。

また和菓子は油も使わずヘルシーと思われがちですが、実はせんべい2枚でご飯半分のカロリー
があります。ですから食事をしっかり食べて、その上いろんなお菓子を食べ過ぎると体重が
増える原因になります。

よく「もっと食べたい時はどうしたらいいの」と質問を受けることがあります。
増えてしまいそうな時は本当に身体が欲しているのか、まずは考えてみましょう。

食べたい時に5分間待ってみます。涼しくなってきたので少し外を散歩してみたり、
掃除を始めてみたり、体を動かしていると意外と忘れてしまうものです。
それでも「なにか口寂しい」というときは紅茶やウーロン茶、コーヒーなど甘みを加えていない
飲み物を飲んでみたり、ノンシュガーのガムを噛んで気分をリフレッシュしてみましょう。

さらに「もう1つ…」と手が伸びてしまう際は、食べた後すぐに歯を磨くと口の中がさっぱり
して食べ過ぎを防いでくれます。

ここで大切なのは、食べないことではなく、とり過ぎないことです。

ダイエット中「がまん、がまん」と無理をしがちですが、無理があれば長続きしません。
ストレスになって、かえって食べすぎることにもなりかねません。

今までは、食べたいときに気がすむまで食べていたとしたら、
これからは時間と分量を決めて、それ以上はだらだらと食べないようにしましょう。

1週間単位で調節する無理のない方法がおすすめです。

「これだけしか食べられない」ではなく「これだけ食べられる」と考え、
がんばっている自分へのご褒美と思えば楽になります。

一方、甘いものはあまり食べないけれど、空腹感から特に夜の食事量が増えてしまう
という方も多くいらっしゃいます。

そのような場合には、逆に間食も食事の一部と考えて活用し、タイミングよくとることで、
食事のどか食いを防ぎ、体重が増えるのを予防することができます。

間食の回数は1日1回がベストです。
一般に食事と食事の間隔は5〜6時間が理想とされています。
しかし中には、なかなか規則的に食事をとるのが難しく、昼食と夕食の間が7時間または
それ以上開いてしまう日もあるでしょう。
夕食が遅くなりそう、あるいは寝る直前になってしまいそうな場合は、
夕方にエネルギーにかわりやすいおにぎりもしくはサンドイッチを間食として食べておき、
あとで夕食におかずだけ食べるというような小分けの食事をおすすめします。
食べる量はおにぎりでしたら1個、サンドイッチは2切れ程度の約200kcal前後が目安です。
さらに、このときのポイントは中の具材の選び方です。
野菜が一緒にとれるサンドイッチや昆布入りのおにぎりを選ぶとカロリーを抑えることが
できます。

最近はカロリー表示されているものが多くなりました。
裏を見て数値で確認するのもよいでしょう。コンビニも増え、昔に比べてお腹が空けば
食べたいものがすぐ手に入りやすい環境にあります。
さらに魅力的な商品もぞくぞくと店頭に並び、誘惑の多い日常になってきました。
手に取る前に一度ご自身の生活を振り返りかえってみてはいかがでしょうか。

うまく間食と付き合うことで、
太りやすいと言われている“食欲の秋”を乗り切っていきましょう。

(管理栄養士 情野 祐子)