MEDIVA健康コラム

’だし’を使って上手に高血圧予防

2014年07月28日(月)

和食をおいしく仕上げるコツとして「‘だし’を活かす」という方法があります。
だしが活きると料理に香りとうま味が加わります。
皆様は毎日のお料理で上手に‘だし’を活用できていますか?

一言で‘だし’といっても、原材料そのもののかつお節や煮干、昆布などからとる
だしもあれば、簡単においしいだしを作ることができる顆粒状のだしの素やだし
パックなど、スーパーでは様々な商品が販売されています。

しかし、同じ‘だし’でも商品によって原材料や栄養成分にかなりの違いがある
ことをご存知でしょうか?

手軽で簡単に使用できる顆粒状のだしの素ですが、本来だしをとる際に必要な素材
以外にも様々な材料が含まれています。
「調味料(アミノ酸等)」や「○○エキス」という表記をよく見かけますが、
これは食品を加工して、簡単にうま味を加えることができるように工場で作られた
ものになります。

また、食塩や砂糖類も加えられています。だしパックについても、
原材料は様々です。
原材料は中に含まれている量の多いものから順に表示されています。

ご自宅でだしの素やだしパックを使用されている方は、
ぜひこの機会に原材料名を確認してみてはいかがでしょうか。

ではどのような種類の‘だし’がおすすめかと言いますと、
やはり素材だけで作っただしを一番におすすめします。
素材には、和食の基本となる昆布やかつお・煮干をはじめ、魚や肉類、野菜や海藻
などがあります。これらの素材から出るうま味は料理をとてもおいしくしてくれます。

中でも塩分含量の少ないだしはかつお節でとるだしです。
そこで、家庭で気軽にできる‘かつおだし’をご紹介いたします。

≪かつおだし 1人分(200ml)≫ 保存期間:冷蔵庫で2~3日

・かつお節パック  1袋(スーパーで売っている少量パックでOK)
・沸騰させたお湯  1カップ

1,沸騰させたお湯にかつお節を入れ、そのままゆっくりとかつお節が浸るのを待つ。
2,かつお節が完全に浸ったら、軽くひと混ぜし、そのまま20~30秒おく。
3,茶こしでだしをこす(キッチンペーパーでも可)。
※だしをとったかつお節は煮物に入れてもOK

この方法であれば時間をとらず簡単にだしをとることができるため、
一人暮らしの方の夕食や離乳食にも活用できます。

外食する機会が多い方や濃い味付けに慣れている方にとっては、
だしのうま味だけでは物足りなく感じることがあるかもしれません。
そのような場合には、かつお節の量を増やしたり、ごぼうやしいたけなど味の出や
すい材料を加えてみてください。だしが濃くなりうま味も増すので、いつも加えて
いた醤油や味噌などの調味料の量も、より少ない量で満足できます。

このように、だしのうま味を活かし、加える塩分の量を抑えることは、
高血圧予防にもつながります。

例えば、ご紹介したかつおだしと冷蔵庫にある野菜をたっぷり入れて具だくさん
味噌汁を作ってみてはいかがでしょうか?

野菜から出るうま味もプラスされ少ない味噌でもおいしく感じることはもちろん
ですが、野菜を沢山入れることにより、野菜に含まれるカリウムが余分な塩分の
排出に役立ちます。

また、野菜の中でも人参やほうれん草、夏野菜の中ではニラやカボチャ、オクラ
などの色の濃い野菜には抗酸化作用をもつビタミンが豊富に含まれています。
特にビタミンEは血液の流れを良くしてくれる働きがあるため、しなやかな弾力の
ある血管を保つことができ、高血圧予防・動脈硬化予防にもなると言われています。

ぜひこの機会に、素材からとっただしを活用し、上手に高血圧予防しませんか?

(管理栄養士 井上 美香)