MEDIVA健康コラム

「高カカオチョコレート」がもたらす健康効果

2025年01月29日(水)New

2月と言えば、節分や立春、そしてバレンタインデーが思い浮かびます。
その中でも、バレンタインには「チョコレート」が欠かせません。
昨今、高カカオチョコレートが健康志向の人々に注目されていることをご存じでしょうか。
高カカオチョコレートは、健康に良い影響を与える
成分が豊富に含まれていることが分かってきています。

■高カカオチョコレートとは

一般的にチョコレートの主原料であるカカオを70%以上含んでいるものを指しています。
スーパーやコンビニなどで売られているものは、
カカオの成分が多いものほど甘さが控えめとなっています。

■注目の機能性成分「カカオポリフェノール」

高カカオチョコレートが注目されている理由の一つが、
その豊富なカカオポリフェノールにあります。
カカオポリフェノールは、カカオ豆に含まれる天然の抗酸化物質で、エピカテキン、
プロシアニジン(エピカテキンが重合した化合物)がおもな構成成分となります。
カカオポリフェノールは、抗酸化作用をもち、老化やがん、生活習慣病などの要因となる
活性酸素から体を守る働きがあります。近年では「動脈硬化予防」をはじめとする
様々な健康効果があることが多くの研究で分かっています。

■「カカオポリフェノール」の効果

・動脈硬化のリスク低減

カカオポリフェノールは、血管内皮細胞を保護する作用もあり、
血管が柔軟で健康な状態を保つのを助けます。
これにより、血圧が安定し、血管が詰まりにくくなるため、動脈硬化の予防に貢献します。

・血圧低下

カカオポリフェノールは、血管拡張作用、血管の弾力/p性向上、
抗炎症作用などを通じて血圧を低下させる効果が期待できるといわれています。

・認知症予防

カカオポリフェノールが脳の血流量を増やし、
BDNFの上昇により認知機能を高める可能性が見つかっています。
※BDNFとは神経細胞の発生、成長、維持、再生を促進させる神経栄養因子(分泌性タンパク質)の一種です。うつ病やアルツハイマー型認知症などの精神疾患で脳内のBDNFの減少が報告されています。

■摂取量の目安

厚生労働省・農林水産省による「食事バランスガイド」では、
菓子・嗜好品の目安量は1日200kcal程度とされています。
高カカオチョコレートは一般的なチョコレートよりも脂質量が多く高カロリーのため、
食べすぎると肥満の原因となり注意が必要です。
カカオ70%以上のチョコレート(5g/枚)の場合、1日3~5枚程度です。
種類によって異なるため、ぜひ栄養成分表示を参考に目安量の範囲内で楽しみましょう。
※特に持病がある方や薬を服用している方は、医師や薬剤師にご相談ください。

MEDIVA 管理栄養士

【引用・参考文献】

●厚生労働省・農林水産省「食事バランスガイド」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kenzensyokuseikatsu/about_b_guide.html#tekiryo

●株式会社「明治」
愛知県蒲郡市、愛知学院大学、(株)明治によって実施された
「チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究」
https://www.meiji.co.jp/chocohealthlife/efficacy/
https://www.meiji.co.jp/chocohealthlife/news/research_final.html

●臨床栄養 「産科と婦人科 Vol.90 No.9 ウィメンズヘルスと栄養素・サプリメント」