MEDIVA健康コラム

駆け出し産業保健師メディ子、ただいま成長中!~対象社員の健康情報漏洩防止のための立ち止まりポイントとは~

2023年01月20日(金)

こんにちは、駆け出し産業保健師のメディ子です。

憧れていた産業保健師になって、間もなく1年が経とうとしています。
日々忙しいながらも、学びの多い充実した1年だったなとしみじみ感じております。
先日、メディヴァの新人保健師メンバー7人で
「対象社員の健康情報個人情洩防止のための立ち止まりポイントとは」という
テーマで共有会を行いました。
共有会を行ったきっかけは、先輩保健師より「健康情報の取扱いについて学んだり、
振り返りを行う機会が少ないため、皆で共有をしてみては?」と投げかけを受けたことでした。

共有会の運営は新人メンバーが自ら主体的に行いました。
当社は各自担当企業先に常駐していたりするので、
同じ職場で顔を合わせる機会が少ないです。
そのため、効率的に社内チャット、WEB会議での事前打ち合わせなどを通して決めていきました。
こういった機会があることで、私達は「主体性」「問題解決能力」「チームワーク」と
いったスキルを身に着けることができました。
そして、メディヴァは新人であっても「受け身ではなく自ら学ぶ機会をつくることができる会社」で
あることを改めて実感する機会となりました。

こちらで、その共有会の学びをお伝えしたいと思います。
同じく駆け出し保健師で奮闘している方やこれから産業保健師になりたい!と
思っている方へ参考になれば嬉しいです。

産業保健における健康情報の取扱い方とは

今回、新人メンバーで個人情報を取扱う共有会を行うにあたって、
事前に先輩保健師より「事業場における労働者の健康情報等の取扱規定を策定するための手引き」
(2019年3月厚生労働省)があることを教えてもらいました。
これには、事業場で健康情報を取扱うにあたり、健康情報の分類と取り扱う権限の範囲などがまとめてあります。
この手引きの目的は「労働者本人の意図に反して不適切な取扱いを受ける恐れもあるため、
慎重な取扱いが必要」と記載がありました。
この手引きをもとに、新人メンバーで健康情報漏洩防止のために産業保健師として
抑えておかなければならないポイントについて共有会を行いました。

新人メンバーでの共有会は盛り上がり、第2回も開催へ

私は、同じ時期にメディヴァに入社した新人産業保健師7名で、
手引きをもとに「とりあえず共有会を行ってみよう」という気持ちでいましたが、
メンバーの関心度が高く、その中でも「それぞれの担当企業では実際どうなのか?」と
いった内容が特に盛り上がったため、後日、第2回目の共有会を実施しました。

メンバーがそれぞれどんな時に悩み、ヒヤリとしたことがあったのか、
どうしたら健康情報の漏洩を防げるのかを話し合いました。

新人メンバーが日頃感じている悩み、ヒヤリと感じたこと

さまざまな意見がありましたが、主に以下の3つが共通している内容でした。

①上司・人事総務担当者との面談の日程調整、上司からの部下に関する相談、定例会議で人事や上司から質問された時に「そもそも共有してもよいのか」困った
②上司から対応のご相談や共有があった際、どこまで情報を開示してよいか悩んだ
③新規でメールを立ち上げて送る時や新しいアクションを起こすときに、宛先を間違うなどの間違いが起きやすい

駆け出し保健師メディ子の学び

今後どのように気を付けていくか、以下の2つの学びを得ました。

①上司や人事へ情報を共有する前に、立ち止まる

手引きにもあるように、「情報開示の範囲について本人の同意を得ること」は、医療職として必要なポイントになります。
実際、相談者は「医療専門職だから守秘義務があるだろう」と思って相談をしてくる方も多くいます。しかし、相談内容を第三者に伝えることへの同意を得ていないタイミングで、人事や上司から相談内容について質問を受けることがあります。また、メールを送信する直前に宛先が違うことに気付くなど、緊張感のある場面はさまざまです。
そのため、行動を起こす前に、”1歩立ち止まる”ことが大切だと学びました。例えば、「これは先輩に確認をとってから人事の担当者と連携しよう」「宛先が間違っていないか、最後にもう一度確認をしよう」「思い込みで送らないようにするために、念のためマニュアルで内容を確認してから、メールを送ろう」など。つまり、自分の中で”立ち止まる”ことが大切だと学びました。また、スピード感を持った対応が必要な場合もありますが、まずは健康情報を不用意に漏洩しないために確実性を持って取り組むことが日々の業務の中では重要です。

②必要な情報を産業医や上司・人事に提供できるよう準備する

会社には、安全配慮義務(労働者がその生命、
身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、
必要な配慮をする)という使用者の義務があります。
つまり、必要な場合には産業医や上司・人事へ相談内容などを共有しなければ
ならないということです。
そのため、必要な時に産業医や上司・人事に提供できるための準備として、
前述の”立ち止まる”ことを心掛けながら「ご相談の内容によっては、
産業医や上司・人事へ連携が必要な場合があります」と事前に相談者へ伝え、
「〇〇といった内容で、上司の方へお伝えしても良いですか」と開示の範囲と
内容について確認をとることは、
保健師が常日頃意識しておかなければならないことであると考えました。
そして、そもそもなぜ連携する必要があるのか、産業医や上司、
人事は、どういった目的で保健師に尋ねてきているのかなど、相手の目線に立ちながら、
必要なアセスメントを行うことが専門職として求められることを改めて認識しました。

まとめ

新人メンバーのほとんどが、担当企業の健康管理室で、保健師1人で働いており、
経験も浅いため不安な気持ちでいることも分かりました。
そのため、この共有会で自分の思いを表現したり、他のメンバーのの思いに共感し、
違う視点からの意見を得ることは、自分の視野を広げることができ、とても有意義な時間となりました。
また判断に迷って先輩保健師に相談していることや、メールの送信内容や送信相手などを間違えないように意識をしていることなど、
「日頃気を付けて行っていることの目的が明確になり学びに変わった」ということが、この共有会を通して得られた気づきです。
今後は立ち止まりポイントを意識して仕事に携わることはもちろん、日頃の気づきや感じたことを自分の中だけにとどめず、
今回の共有会のようにメンバーで共有することも大切にしたいと思います。そうすることで、
より広い視野で物事を捉えることができ、より厚みのある実践へつながると思っています。
改めて、新人メンバーが7人いることを強みにして、今後も皆で成長していけたら嬉しいです。
今年も駆け出し保健師メディ子、日々精進していきます!