MEDIVA健康コラム

もち麦ご飯にしてみませんか

2018年03月29日(木)

最近では、レストランのメニューやコンビニのおにぎりなどでも白米以外に玄米、
雑穀米、キアヌ米などたくさんの種類の主食が見られるようになりました。

その一つに『もち麦』があります。

 もち麦は少し前に、テレビや本などでも腸内環境を整える効果、内臓脂肪や
コレステロールを減少させ、メタボリックシンドロームを改善する効果が
あるということで話題になりました。

しかし、他のものとの違いがよくわからない、なんとなく体によさそうだから
選んでいたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はその『もち麦』についてスポットをあて、
特徴と食べ方についてご紹介したいと思います。

1、白米ともち麦の違いは?

もち麦は大麦の仲間です。
大麦はビールや麦茶などの原料として知られていますが、
小麦や白米と同じイネ科の穀物で、白米にうるち米ともち米があるように、
大麦にも『うるち性』と『もち性』があります。
その『もち性』に分類されるのがもち麦です。

白米よりもアミロペクチンという粘性が高いでんぷんを多く含むので、
名前の通りもちもちとした食感が特徴的ですが、
水に溶ける水溶性食物繊維が多く含まれていることも大きな違いです。

  食品成分表で比較してみると、食物繊維の量が白米の25倍もあります。
その他カリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄などの
栄養素についても白米より多く含まれています。

100gあたりで比較すると

白米:エネルギー346kcal・食物繊維0.45g(うち水溶性 微量、不溶性0.45g)
カリウム80mg カルシウム4.5mg マグネシウム20.7mg 鉄0.7mg

もち麦:エネルギー305kcal・食物繊維11.6g(うち水溶性8.1g・不溶性3.5g)
カリウム153mg カルシウム15mg マグネシウム22.5mg 鉄0.9mg

1日に必要とされる食物繊維の摂取目標量は「成人で男性20g以上、女性18g以上」
とされていますが、実際には平均14g程度と少なくなっています。ですから、
主食のご飯に3割まぜるだけでも食物繊維の摂取量を簡単に増やすことができます。

2、もち麦のメリット

1. 便秘改善のお助けに!

野菜や海藻などにも多く含まれている食物繊維は不溶性と水溶性があります。
不溶性食物繊維は腸内を刺激して排便を促す働きがあり、
水溶性食物繊維は、便を柔らかくしてくれる効果があります。

もち麦は水溶性・不溶性食物繊維の両方が含まれています。

最近は野菜の値段の高騰が続いていますが、野菜が手に入りづらい食事が続く
場合は、主食を白米からもち麦に変えることで食物繊維の摂取量を増やすこと
ができます。

 2. 食べすぎ防止に

もちもちとした食感に加え、玄米に似た歯ごたえもあり、白米よりはよく噛んで
食べるような習慣が自然とつくというメリットもあります。
ごはんが好きで量をたくさん食べてしまう方はよくかむことによって
満腹中枢を刺激し、食べすぎ防止や肥満防止にも効果が期待できます。

3. もち麦ご飯の炊き方

もち麦は、そのままで食べるより白米に混ぜて炊くほうが食べやすいので
まずは3割ほど混ぜたものでお試しください。
個包装になっているものを使用すると計量の手間も省けて簡単に使用できます。
また、白米に混ぜる量によって、食感や摂取できる食物繊維の量も変わります。

おすすめは下記の配合でいつもの白米にもち麦を洗わずに入れるだけです。

◇材料◇ (米の3割で炊く場合)
・米2合(2合分の水)
・もち麦100g
・水200ml

お米2合に2合分の水を入れ、もち麦100gをそのまま入れて水200mlを足します。
全体に広がるように混ぜて、いつもの白米炊きのスイッチをいれて普通に炊いてください。
炊き上がりは約3合分になります。

※お好みで、もち麦や水の量を調整してください。

もうすぐ4月ですが、寒暖差もあり、入学式、入社式などのイベント、異動や転勤
など環境の変化も大きい時期です。
不安や緊張感でのストレスから便秘などの不調や肌荒れが起こることもあります。
お腹の調子が悪いと心の調子も乱れます。
そんなときは、いつもの主食をちょっと変えて、手軽に食物繊維を増やしてみてはいかがでしょうか。

(管理栄養士 堀本愛香)