からだにうれしい食物繊維の上手な摂り方
2016年01月26日(火)
寒くなり、お鍋を食べる機会が増えると、翌日にお腹の調子が良くなったという
経験をされたことはありませんか。
これは、温かいお鍋を食べたことで腸が温められて腸の動きがよくなったことと、
野菜やきのこなどの食物繊維を多く含む食材をたくさん食べた効果だと考えられます。
食物繊維は、すじ状の繊維質のものをはじめ、ネバネバしているものやサラサラして
水に溶けるようなものまで様々な形のものがあり、身体の中で効果的に働いています。
その働きのひとつとして、腸内環境を整え、便通を促す効果があります。
そのため、お鍋で野菜などをたくさん食べると、お腹の調子がよくなるのです。
そこで今回は、食物繊維をお鍋以外でも摂る方法をご紹介します。
食物繊維を上手に摂るためのポイントは3つです。
1. 食物繊維を多く含む食材を選ぶ
食物繊維は、野菜やきのこ以外に、米・小麦・とうもろこし・ライ麦などの穀類、
豆腐・納豆・高野豆腐などの大豆製品
あんこなどのあずき・ピーナッツ・そらまめなどの豆類
こんにゃく・じゃがいも・さつまいもなどの芋類
ひじき・わかめ、寒天などの海藻類
りんご・ぶどうなどの果物類
などに多く含まれています。
ですから、これらの食材を積極的に食べることで、食物繊維を多く摂ることが
できます。また、同じ料理を食べる時でも、ひと工夫することで食物繊維を摂
る量は変わります。
たとえば、ご飯を食べるとき、白いご飯を雑穀米や玄米にすると、
同じ量を食べても食物繊維は3〜4倍摂ることができます。
同じように、パンも白いパンより茶色のパン(ライ麦パンやふすま・全粒粉の
パンなど)、甘いパンであれば、クリームパンよりもあんパンやぶどうパンなど
を選ぶと食物繊維を多く摂ることができます。
また、洋食より和食の方が知らず知らずのうちに簡単に食物繊維を多く摂っている
ことがあります。
例えば朝食を例にとると、洋食では卵料理やウィンナーなどの食物繊維を含まない
食材を使うのに対し、和食では納豆や昆布の佃煮など食物繊維を含む食材を使うこ
とが多いからです。
ですから、洋食が多い方は、和食を食べる頻度を増やしたり、洋食を食べるときにも、
食物繊維を多く含むパンを選び、野菜を使ったスープや、サラダ、果物等を添えると
良いでしょう。
2. 品数を増やす
丼やスパゲティ、ラーメンなどのひとつの器で食べるメニューではなく、1回に複数の
お皿や食品の種類の多い料理を食べることによって、食物繊維を摂る量は2〜3倍に
増えます。
最近は、炭水化物抜きダイエットに取り組み、ご飯を食べないという方も増えています
が、ご飯にも食物繊維は含まれています。
栄養のバランスを良くするためにも、毎食ご飯1膳分くらいは食べる習慣にすることを
お勧めします。
また、野菜やこんにゃくなどを使った和え物や煮物、サラダなども毎食1〜2品一緒に
食べることで、1日に必要な食物繊維をしっかり摂ることができます。
3.食物繊維は分けて摂る
食物繊維は腸内環境を整える以外にも、お腹の中で膨らみ、満腹感を与える働きが
あります。
その他にも、血糖値の上昇を緩やかにし、血液中の余分なコレステロールを吸着して
排出しやすくする効果もあるといわれており、毎食摂って頂きたい栄養素になります。
しかし、食物繊維を一度にたくさん摂り過ぎると、胃腸への負担が大きく、
必要な栄養素も排出してしまうため、3回の食事に分けて摂ることが大切です。
逆にパンやおにぎりだけ、うどんだけなどの日には、ピーナッツやあんこを使った
まんじゅうなどの和菓子や焼き芋、飲み物はココアなど食物繊維を多く含むものを
おやつに選び、低カロリーにしたい場合は、寒天や果物を選ぶなどして補うと良い
でしょう。
また、食欲がない朝は、食事を食べないのではなく、果物だけでも食べることを
お勧めします。
ただし、下痢など胃腸の調子が悪いときは、食物繊維を多く摂ることによって症状
を悪化させてしまうことがあります。
このようなときには、食物繊維の多い食品の摂取を控えることも大切です。
このように日頃から食物繊維をしっかり摂ることで、鍋を食べた翌日だけでなく、
毎日お腹の調子を整え、身体に嬉しい効果をもたらします。
食物繊維を上手に摂れる食品選びを意識して、
日頃から体調を整える食生活をしてみてはいかがでしょうか。
(管理栄養士 上園葉子)
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