MEDIVA健康コラム

からだに嬉しい春の味覚

2014年02月27日(木)

2月の厳しい寒さも一段落し、3月までもう少し。春はすぐそこまで迫ってきています。
この時期にしか食べられない春の味覚も楽しみたいですね。

春の味覚と言えば、ふきのとう、たらの芽などの春の山菜や、春キャベツや菜の花、
新じゃがなどの春野菜がありますね。
これら春の味覚には、からだに嬉しい栄養素がギュッと詰まっています。

春の山菜といえば、天ぷらが美味しい“ふきのとう”や“たらの芽”。
煮物やお浸しで食べられる“ぜんまい”や“わらび”。
和え物では“うど”や“せり”などが挙げられます。

どの山菜にも、独特の香りや苦味があります。
この苦味は、主に「アルカロイド」「ポリフェノール」「フラボノイド」「タンニン」
などの成分で、抗酸化作用があるのが特徴です。

抗酸化作用とは、体の酸化を防ぐはたらきの事です。
体の酸化は、血液の酸化による動脈硬化やガンの原因となってしまうので、
予防する事が大切です。
体内で作られる抗酸化物質もありますが、年齢と共に作られる量が少なくなって
しまうので、食べ物から摂り入れることが大切です。

山菜の独特な苦味を楽しみながら、生活習慣病の予防もできるとは嬉しいですね。
山菜には、苦味成分以外にも、食物繊維やビタミン類、カルシウム、カリウムも
豊富に含まれています。
これらの成分は血液中に溜まった脂肪や老廃物を体の外に出しやすくする働きが
あります。

冬は外出が減るなど、夏に比べて運動不足になりがちなので、脂肪が溜まりやすい
季節です。体に溜まってしまった脂肪や老廃物を体の外に出して、スッキリと春を
迎える為にも春の山菜は是非食べていただきたい食材です。

春野菜も春の味覚を感じる食材ですね。

例えば、柔らかくて甘みもあり、冬に食べるのとはまた一味違う春キャベツ。
生で食べるのが美味しいですね。キャベツ特有の成分として、胃の粘膜を保護する
効果のある『キャベジン』があります。

これからの季節、卒業シーズンでお祝いの食事があったり、職場では送別会の宴会
が続いたりと、冬から引き続き疲れ気味の胃には嬉しい食材です。

他にも、菜の花にはビタミン類の他、カルシウムや鉄分なども含まれています。
カルシウムも鉄分も、不足しがちな栄養素です。
からし醤油で和えるのも美味しいのですが、シーチキンやゆで卵などを加えて和える
と鉄分の吸収が良くなるだけでなく、たんぱく質もとれる一品となります。

旬の時期にはその食材の栄養価も高くなります。

この時期にしか食べられない春の山菜や春野菜を美味しく食べながら、
からだに嬉しい栄養素をしっかり摂取したいものですね。

山菜は調理までの下処理が面倒なイメージがありますが、
春の山菜の代表、ふきのとう・たらの芽は、面倒なあく抜きをしなくても食べられる
ので、手軽に美味しくいただくことができます。

今回はこの二つの山菜と春野菜を組み合わせた料理をご紹介します。

ふきのとうやたらの芽の調理としては、天ぷらが代表的ですが、
毎回天ぷらだと油の摂取が気になるところです。

ふきのとうを細かく刻みフライパンで炒め、味噌と砂糖を絡めれば、
「ふきのとう味噌」の完成です。
白いご飯に乗せると美味しいのですが、ご飯の食べ過ぎが気になる方は、
春野菜と組み合わせてみてはいかがでしょうか。

生食が美味しい甘い春キャベツをちぎって、ほろ苦いふきのとう味噌を少しのせて。
これなら、キャベツも沢山食べられそうですね。

たらの芽は春野菜のポトフにしてみてはいかがでしょう。
鍋に水を入れて皮つきのまま切った新じゃがと大きめに切った新玉ねぎ、
彩りに人参も入れて煮込みます。
柔らかくなったら、鶏肉やウインナー等と、茶色い部分を切り落としたたらの芽も
入れて一煮立ちさせたら完成です。
洋風の味付けならコンソメスープの素を、和風の味付けなら和風だしと醤油で味を
調えます。器に盛ったら、さっとゆでておいた菜の花を彩りに添えても綺麗ですね。

いつもの食卓に少し春の香りを取り入れながら、
季節の移り変わりを楽しんでみてください。

(管理栄養士 丸山有加)