MEDIVA健康コラム

糖質制限ダイエットについて

2013年10月28日(月)

今年は、「糖質制限ダイエット」が話題になり、糖質=ご飯というイメージが先行して、まずは「ご飯から抜く」方が多くいらしたように感じます。

ご飯を減らせば一時的には体重が減ったように感じるかもしれませんが、間違った減らし方では太りやすい体になってしまったり、動脈硬化の原因になることもあります。

糖質制限ダイエットは、エネルギーを摂りすぎている人や治療の目的で、必要以上に血糖値を上げさせない(膵臓からのインスリンを無駄に使わせない)ための方法の1つとして考えられたものです。

健康長寿のための方法ではありません。

今回は、間違った取組みをされないためにも糖質の重要性についてお伝えします。

 

◆そもそも糖質とは?

ご飯、パン、麺類、いも類などに多く含まれる栄養素である炭水化物から食物繊維を除いたものです。

 糖質はさらに単糖類、二糖類、多糖類に分類されます。
これは体への糖類の吸収のしやすさに関係します。
単糖類はブドウ糖・果糖、二糖類は砂糖・乳糖・麦芽糖、多糖類はでんぷんなどがあります。

分子の大きさが小さい方から、単糖類⇒二糖類⇒多糖類の順で体に吸収しやすいものとなります。

糖質は、体温を上げさせる大事な働きがあります。
そのため、朝食で糖質をとり、体温を上げることで燃えやすい体となり、ダイエットの成功につながります。

 

◆糖質を制限しすぎるとどうなるのか

1)脳が栄養不足に

糖質は、体内に吸収されるとブドウ糖という糖に分解され、脳や筋肉などのエネルギー源として利用されます。
全く摂らなければ脳が正常に働かず、ボーっとした感じが続いたり、集中力の低下や無気力を引き起こします。

2)肝臓に負担をかけます

糖質からのエネルギー摂取が無くなると、肝臓に蓄えられた糖類を分解し、肝機能の低下が起こります。

体内の蛋白質も分解され、免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。

3)脂肪ではなく筋肉を分解します

糖質が足りない状態が続くと、脂肪だけでなく筋肉も分解します。
つまり、自ら筋肉量を減らしてしまうことになります。

筋肉が減ると体が冷え、基礎代謝も下がってしまいます。
そのため、太りやすい体を作ってしまいます。

4)栄養の偏りからくる生活習慣病の原因になることもあります
 
ご飯やパンなどの糖質を控えるかわりに肉や魚が増えすぎると、必要以上にたんぱく質や脂肪、塩分を摂りすぎることにもつながります。
たんぱく質や脂肪は適宜必要な栄養ではありますが、摂りすぎることは腎臓に負担をかけたり、余分なコレステロールが増えることで、動脈硬化を促進させて心筋梗塞などのリスクを高めることにつながります。

また、調味料からの塩分が増えると、かえって食欲が増したり、血圧を上げる原因になるなど生活習慣病の危険性も増えてしまいます。

◆太りにくい食べ方・食品の選び方について

糖質を食べ過ぎて太るのは、体に糖が入ってきた時に分泌されるホルモン(インスリン)が、エネルギーとして使いきれなかった栄養分を体脂肪として溜め込ませてしまうからです。

そのため、食後一気にインスリンの分泌を上昇させない食べ方(血液中に糖がゆっくり吸収されるようになる食べ方)と食品の選び方がポイントです。

その方法として下記の2点が大切です。

1) 食べる順番に気をつける

食事は、最初に野菜や海草、きのこ(野菜スティックやサラダ、具だくさん味噌汁)など糖質の量が少なく繊維質の多いものから食べ、その次に主なおかず(肉や魚、豆腐など)を食べて最後にパンやご飯といった順番で食べることがおすすめです。

この順番で食べると血液への糖の吸収がゆるやかになり、太りにくい食べ方となります。

2)間食は、お菓子や甘い飲み物より果物で

お菓子や甘い飲み物などは、糖の量が多いため、血糖値も上がりやすくなります。
間食にするなら砂糖が入ったお菓子より果物(りんごなら1/2個まで、いちごなら5粒程度、みかんなら大1個程度)がおすすめです。

日本糖尿病学会では、「糖質制限は、勧められない」と提言されています。
糖質は、ひたすら減らすのではなく、丁度良くとることが大切になります。
体温を上げる朝食は必ず食べ、昼・夕食は活動量によって量を調整するなど、 食べ方を工夫することで、太りにくい体を作っていきましょう。

(管理栄養士 川島 美由紀)