MEDIVA健康コラム

梅雨の「なんとなく不調」はマグネシウム不足?6月のどんより気分を吹き飛ばすセルフケア

2026年06月19日(金)New

6月に入り、どんよりとした雨空の日が増えてきました。



「雨が降ると頭が重い」「朝すっきり起きられない」「些細なことでイライラしてしまう」……。
そんな体と心の不調を感じてはいませんか?

こうした「梅雨時期の揺らぎ」の背景には、
実はある重要なミネラルの不足が隠れているかもしれません。
今回は、心と体を心地よくゆるめるために欠かせない
「マグネシウム」にスポットを当ててみましょう。

1. 日本人のほとんどが足りていない?「マグネシウム」の実態

現代の日本人の多くは、慢性的なマグネシウム不足の状態にあると言われています。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の推奨量と、
実際の平均摂取量(国民健康・栄養調査)を比べてみましょう。

●性別・世代別の不足量(30〜64歳の場合)

成人男性:毎日およそ 110mg〜120mg の不足
(推奨量:370mg〜380mgに対し平均摂取量は約260mg)
成人女性:毎日およそ 50mg〜60mg の不足
(推奨量:280mg〜290mg に対し平均摂取量は約230mg)

このように、私たちは毎日ちょっとずつ「マグネシウム負債」を抱えて生活しています。
さらに、以下のような6月特有の環境や習慣が、
体内のマグネシウムをさらに減らしてしまう原因になります。

●気圧の変化や日々のストレス

6月特有の「気圧の乱高下」による自律神経の乱れや仕事のプレッシャーなど、
心身がストレスを感じると、
マグネシウムは尿と一緒に体外へ排出されやすくなります。

●アルコールやコーヒー(カフェイン)の摂りすぎ

お酒を体内で分解する際、大量のマグネシウムが消費されます。
また、カフェインやアルコールの持つ利尿作用も、排出を加速させます。

●甘いもの、炭水化物の偏食

糖質をエネルギーに変える(代謝する)ためには、マグネシウムが不可欠です。
菓子パンや麺類中心の食事、
スイーツの食べすぎは、マグネシウムの浪費につながります。

2. 心と体が出すSOS:気付きにくい「慢性不足」のサイン

マグネシウムが不足すると、私たちの心と体は段階的にサインを出します。
思い当たる症状はありませんか?

【初期サイン】抜けないだるさ・食欲不振

「寝ても疲れが取れない」「なんとなく食欲が出ない」というのは、
体が発する最初のイエローカード。見過ごしやすい「梅雨だる」も、
実はマグネシウム不足が関係している可能性があります。

【長期化のサイン】まぶたのピクピク・足のつり・頭痛

マグネシウムは、筋肉をゆるめたり神経の伝達を正常に保ったりする役割があります。
不足が続くと、まぶたのピクピクや足のつり(こむら返り)が起きやすくなるほか、
片頭痛の引き金にもなると言われています。

【将来的なリスク】生活習慣病

慢性的な不足状態を放置してしまうと、将来的に高血圧や心疾患、
骨粗鬆症、血糖値のコントロールの乱れなど、
さまざまな生活習慣病リスクを高める恐れがあります。

3. なぜマグネシウムが大事?不調を招く3つのメカニズム

マグネシウムには、私たちの心と体を健やかに保つための3つの重要なミッションがあります。

①脳のエネルギーと神経伝達をスムーズに

脳がシャキッと活発に働くためのエネルギー(ATP)を作るには、マグネシウムは不可欠です。
不足すると「集中力が続かない」「頭がぼーっとする」といった効率の症状を感じやすくなります。

②心の穏やかさを保つ「幸せホルモン」のアシスト

気持ちを安定させ、ストレスを和らげる脳内物質「セロトニン(幸せホルモン)」を体内で
合成する際、マグネシウムは重要な酵素の働きをサポートします。
不足すると気分の落ち込みやイライラにつながってしまいます。

③体をリラックスさせ、筋肉のこわばりをほぐす

カルシウムが筋肉を「収縮(緊張)」させるのに対し、
マグネシウムは「弛緩(ゆるめる・ほぐす)」役割を担っています。
この2つのミネラルのバランスが崩れてマグネシウムが足りなくなると、
体がリラックスできず肩こりや頭痛、足のつりを引き起こす原因になります。

4.今日からできる!マグネシウムの賢いチャージ術

マグネシウムは、植物性の食品や海の恵みに広く含まれています。
まずは、普段の食事に取り入れやすい「身近な食材」をまとめました。

マグネシウムが豊富な身近な食材一覧

食品グループ おすすめの食材
穀類 玄米、大麦(雑穀米)、全粒粉パン
豆類 納豆、豆腐、枝豆、豆乳
種実類 アーモンド、カシューナッツ、ごま
魚介類 カツオ、鮭、アサリ、干しエビ
野菜・きのこ類 ほうれん草、ブロッコリー、アボカド、しいたけ
藻類 あおさ、ひじき、カットわかめ、昆布

マグネシウム「50mg」をプラスするための食事の目安

女性の不足分(50〜60mg)であれば、
以下のいずれか1つを毎日の食生活にプラスするだけでほぼクリアできます。

納豆
1パック(50g) 木綿豆腐
木綿豆腐
約1/3丁(100g)
アーモンド
約15粒(15g)
玄米ごはん
1杯(150g)
※白米から置き換えるだけで約70mgアップ!

男性の不足分(110〜120mg)なら、「お味噌汁に豆腐1/3丁を入れ、
さらに納豆を1パック食べる」といった組み合わせで十分に届く計算です。

管理栄養士からのワンポイントアドバイス

マグネシウムは熱に強い一方で、「水に溶け出しやすい」という性質を持っています。
そのため、ほうれん草やわかめ、豆腐などを入れた具だくさんのお味噌汁や
スープにして、汁ごと栄養をいただくのが一番手軽でおすすめの調理法です。

5. 忙しい毎日でも無理なく続けられる「2つの工夫」

①「食べ合わせ」で吸収率をさらにパワーアップ!

マグネシウムは他の栄養素と組み合わせることで、
体内への吸収や働きがさらに効率よくなります。
■マグネシウム × クエン酸(例:梅干し・レモンなど)
おすすめの組み合わせ:玄米ごはん + 梅干し
クエン酸はマグネシウムを溶けやすい形に変え、体内への吸収をスムーズにします。
■マグネシウム × ビタミンB6(例:カツオ・バナナなど)
おすすめ:ヨーグルト + バナナ + 素焼きアーモンド
ビタミンB6は、マグネシウムを細胞の中までしっかり届けるエスコート役を担います。
■マグネシウム × ビタミンD(例:きのこ類・しらすなど)
おすすめ:納豆 + しらす + ごま
ビタミンDは、腸管でのマグネシウムの吸収をサポートしてくれる頼もしい相棒です。

②毎日の「調味料」を賢くアップデート

最も手軽でおすすめなのが、普段使っている「塩」や「にがり」の活用です。
伝統的な製法で作られた「海塩(海水塩)」は、
一般的な精製塩に比べてマグネシウムなどのミネラルが豊富です。
塩分(塩化ナトリウム)が控えめで、まろやかな旨みがあるため料理も美味しく仕上がります。
また、スーパー等で買える「にがり」をお味噌汁や飲み物に2〜3滴垂らすのも手軽です。
お米を炊くときに(2合に対して小さじ1程度)入れると、
ご飯がツヤツヤふっくら炊き上がります。

【調味料別】マグネシウム含有量の比較(100gあたり)

調味料の種類 マグネシウム含有量 特徴
一般的な精製塩 ほぼ 0 mg サラサラした食塩など。
製造工程でミネラルがほぼ取り除かれています。
海塩(伝統海塩など) 約 2,800〜3,360 mg 海水のミネラルをそのまま残す製法。
一般的な塩より塩分も低めです。
市販のにがり(原液) 約 950〜5,200 mg 海水から塩分を除いた液体。
商品によって濃度が異なるためラベルを確認。

調味料の種類 マグネシウム含有量 特徴
一般的な精製塩 ほぼ 0 mgサラサラした食塩など。
製造工程でミネラルがほぼ取り除かれています。
海塩(伝統海塩など) 約 2,800〜3,360 mg海水のミネラルをそのまま残す製法。
一般的な塩より塩分も低めです。
市販のにがり(原液) 約 950〜5,200 mg 海水から塩分を除いた液体。
商品によって濃度が異なるためラベルを確認。

③知っておきたい「摂りすぎ」の注意点

普段の食事から摂る分には、マグネシウムを摂りすぎることで健康障害が起きる心配は
ほぼありません(余分なものは尿として自然に排出されます)。
ただし、サプリメントの大量摂取や「にがり」の原液を過剰に使いすぎると、
お腹がゆるくなって下痢を引き起こす原因になります。パッケージの目安量を守りましょう。
※腎臓の機能が低下している方はマグネシウムが体内に溜まりやすくなるため、
にがりやサプリメントを使用する際は、必ず事前に主治医にご相談ください。

まとめ:心と体に「栄養の傘」を差しましょう

「いつものお塩を少し変えてみる」
「白米に雑穀や玄米を混ぜてみる」
「おやつをナッツに変えてみる」。

そんな日常の小さな工夫の積み重ねが、
雨の季節のあなたを優しく守る「心の傘」になります。
マグネシウムを賢く味方につけて、6月のどんより気分を軽やかな笑顔に変えていきましょう。
すっきりとした心と体で、清々しい夏を迎えられますように!

MEDIVA 管理栄養士

【参考文献】
•厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
•厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」
•文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
•厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット「マグネシウム」
•厚生労働省eJIM(『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』)海外の情報「マグネシウム」