MEDIVA健康コラム

ネバネバ食材で夏の暑さを乗り切りましょう

2024年08月16日(金)

記録的な暑さが続いていますが、体調をくずしていませんか。
夏は暑さで食欲が落ちて、そうめんだけ、ゼリー飲料だけなど偏った食事になりがちです。
そんな時はつるっと食べやすいネバネバ食材が大活躍。
「体にいい」というイメージを持っている方も多いネバネバ食材ですが、
今回はネバネバの正体やその働きをご紹介します。

ネバネバ成分は水溶性食物繊維

ネバネバ成分の多くは水溶性食物繊維です。
食物繊維は大きく分けて水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けにくい
不溶性食物繊維があり、それぞれ違った特徴があります


~水溶性食物繊維の種類と代表的な食材~

  • ●ペクチン:オクラ・つるむらさき・なめこ・長芋・りんご・みかん・そば
  • ●アルギン酸:めかぶ・昆布・ひじき
  • ●フコイダン:もずく・昆布・わかめ
  • ●グルコマンナン:こんにゃく・長芋・里芋
  • ●βグルカン:大麦・オートミール
  • ●イヌリン:菊芋・ニンニク・玉ねぎ・ごぼう

~水溶性食物繊維の働き~

  • ①便の水分量を高め、便をやわらかくする。
  • ②腸内の善玉菌を増やす。
  • ③食後の血糖値の上昇を抑える
  • ④コレステロールを吸着し体外に排出する
  • ⑤ナトリウムを体外に排出し、高血圧の予防が期待できる。

■現代人は食物繊維不足

食物繊維は体にとって良い働きがたくさんあるにもかかわらず、
日本人の食物繊維摂取量は年々減少傾向にあり、なかでも水溶性食物繊維が不足しています。
水溶性食物繊維が全て「ネバネバ」というわけではありませんが、
毎日の食事で「ネバネバ食材」を意識して食べることで食物繊維の摂取量増加に繋がります。

■夏に食べたいネバネバ食材

オクラ

原産地はアフリカ。エジプトでは2000年以上も前から栽培されています。
皮膚を丈夫にするβカロテン、ナトリウムの排泄を促すカリウムなどが含まれます。
星形の断面も魅力的ですね。

つるむらさき

原産地は東南アジア。βカロテンや骨や歯を丈夫にするカルシウムを多く含みます。
紫色の実をつけることからこの名が付きました。

モロヘイヤ

原産地はインド西部~アフリカ大陸。βカロテン、ビタミンC、鉄、カルシウム、
カリウムなど様々なビタミン・ミネラルを豊富に含みます。その栄養価の高さから
アラブ語の「王様の野菜」が名前の由来となっており、まさにスーパーフードといえますね。

長芋

糖の代謝に不可欠なビタミンB1やむくみ解消に役立つカリウムを豊富に含みます。
糖の消化酵素でもあるジアスターゼを含んでいるので芋類の中でも生で食べても
消化されやすい特徴があります。

もずく

流通している9割が沖縄産。ぬめりの成分は水溶性食物繊維であるフコイダン。
昆布の5~6倍のフコイダンを含みます。

めがぶ

主な産地は三陸海岸。成長したわかめの茎の根元にできるひだ状の部分で、
刻むと粘りが出ます。

ぎばさ

秋田県の伝統食でアカモクとも呼ばれる海藻。他の海藻と比べても食物繊維がたっぷりで、
強い粘りが特徴です。

なめこ

主な産地は長野県。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれていいます。
カリウムも豊富。

ネバネバ食材といえば納豆を思い浮かべる方も多いかと思いますが、
納豆のネバネバ成分は今までご紹介したネバネバ食材と異なり、
納豆菌の作用で大豆のたんぱく質が分解されて出来たポリグルタミン酸です。
このポリグルタミン酸はカルシウムの吸収を助ける働きがあります。

~かき混ぜる回数はお好みで~

「納豆は50回以上かき混ぜた方がいい」等と聞いたことがある方もいるかもしれません。
確かに納豆はかき混ぜればかき混ぜるほどポリグルタミン酸が空気を取り込んで粘りが増します。
ただし、栄養素の量は変わらないので混ぜる回数はお好みでかまいません。

■ネバネバ食材レシピ「ネバネバ丼」

ネバネバ食材大集合!の丼をご紹介します。
ただし、全部材料をそろえる必要はありません。お好きなものを組み合わせてみましょう。
たっぷりのネバネバ野菜にたんぱく源として納豆や卵を組み合わせるとバランスがよくなります。

(材料)

ご飯 150g
オクラ 3本(冷凍オクラスライス30gでも可)
長芋 50g(冷凍でも可)
なめこ 50g
納豆 1p
めかぶ(もずく、ぎばさでも可) 50g
温泉卵 1個
キムチ 40g
ポン酢 1T
ごま油 1t

(作り方)

  • ①オクラは塩をふって板ずりし、1分ほどゆでて小口切りにします
  • ②長芋は皮をむき1㎝程度の角切りにします。
  • ③なめこはさっと熱湯に通しざるにあげておきます。
  • ④納豆は付属のたれと合わせます(かき混ぜる回数はお好みで)
  • ⑤丼にご飯を入れ、すべての食材をバランスよく盛り付け、ポン酢とごま油をかけて出来上がり。

【栄養価(1人分)】

エネルギー 504kcal
たんぱく質 21.7g
脂質 14.6g
炭水化物 78.6g
食物繊維 11.7g
塩分 2.7g

暑い夏でも食べやすく、調理も簡単なネバネバ食材をつかって、元気に乗り切りましょう。

MEDIVA 管理栄養士

【参考資料】

●厚生労働省 e-ヘルスネット
(食物繊維)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
(食物繊維の必要性と健康)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html

●厚生労働省 国民栄養健康調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/gaiyo/k-eisei.html

●厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

●女子栄養大学出版部 「栄養と料理2022年8月号」
●タカノフーズ株式会社 HP
https://www.takanofoods.co.jp/company/
●オールガイド食品成分表 実教出版