MEDIVA健康コラム

食中毒対策、はじめましょう!

2022年06月15日(水)

 梅雨の季節になり、蒸し暑くじめじめした日も増えてきましたが、
お元気にお過ごしでしょうか。

今回はこの時期 多発しやすい“細菌性食中毒”についてお伝えします。

 先月、お刺身に寄生していた“アニサキス”による食中毒が多数発生し、
ニュースでも報じられていました。
食中毒には、こうしたアニサキスのような寄生虫以外に、細菌やウイルスによるものがあります。
特に、梅雨時から夏(5月~9月)にかけてはカンピロバクターや腸管出血性大腸菌などの細菌性食中毒の発生が増加する傾向にあります。

理由は、湿度と温度です。食中毒を引き起こす細菌の多くは湿気を好み、温度は20~50℃で増えやすいと言われています。こういった細菌が付着している食べ物を口にすることで食中毒を引き起こし、嘔吐や下痢などの症状が出たり、時には命に関わることもあります。
食中毒を引き起こす菌が付いているか・増えているかどうかは見た目や匂いではわかりません。

そのため、次の3つのポイントを守ることがとても大切です。

① 菌をつけない 

調理前、調理後や食事前などこまめに手を洗いましょう。
特に肉・魚・卵などを扱う場合は下記の点も注意しましょう。

・肉や魚、卵と野菜は調理器具(まな板・包丁・菜箸など)を分ける

・肉や魚は、ビニール袋などに入れ、他の食品に汁が付かないようにする

② 菌を増やさない

細菌は、10℃以下では増えにくくなり、-15℃以下では増えなくなります。
しかし、冷蔵庫に入れた場合も細菌はゆっくりと増えます。
冷凍庫に入れた場合も細菌が死ぬわけではないため、早めに使いきることが大切です。

・肉や魚など→早めに冷蔵(冷凍)庫へ

・調理済みの料理→粗熱をとって(手で触れる程度まで熱をさます)から出来るだけ早く冷蔵庫へ

・冷凍した食品を解凍する場合は、室温で解凍せず、冷蔵庫や電子レンジ、流水で解凍する

・溶けたアイスをそのままにしておくと細菌が増え、一気に食中毒のリスクが高まります。
溶けたアイスは冷凍庫に戻さず処分した方が安全です

③ 殺菌する(菌を死滅させる) 

食材の中心部までしっかり火を通しましょう。
目安は中心温度75℃で1分以上加熱することで、ほとんどの食中毒菌は死滅します。


また、最近では新型コロナによる外出自粛の影響により、テイクアウトやデリバリーを利用する機会が増えた方も多いかと思います。手軽で便利ですが、食べるタイミングが遅くなったり、正しく保管されていないと食中毒のリスクが上がってしまう場合もあります。
生ものは出来るだけ早く食べることはもちろんのこと、購入してすぐに食べられない場合は冷蔵庫に入れて保管することが大切です。

また、冷蔵庫などで保管できない場合はメニュー選びを工夫しましょう。

① 寿司などの生ものや、完全に火が通っていないレアの肉、半熟卵などが入っている料理は避ける

② 海鮮丼や冷たい麺と温かい丼などのセットメニューは、冷たいものの温度が上がり、細菌が増えやすくなってしまうため避ける

食中毒になってしまうと体力も奪われ回復にも時間がかかります。
ぜひ食事を安全においしく楽しみながら、暑い夏を乗り切りましょう!! 

<厚生労働省参考資料>

・家庭で出来る食中毒予防の6つのポイント