MEDIVA健康コラム

家族からみた『働き方改革』

2021年10月15日(金)

こんにちは。
メディヴァ産業保健チームです。

皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のコラムは「家族からみた働き方改革」です。
新型コロナウィルス感染防止策として各企業でテレワークの導入が推進されています。

働き方改革がより一層進みそうですね。
2019年4月から始まった「時間外労働の上限規制」も、
2020年4月からは大企業だけでなく、中小企業にも適用されています。

今回ご紹介するのは2018年度、2019年度の労使共同研究としてされた、
「労働者と家族から見た働き方改革アンケート調査結果(※)」です。
メディヴァもこの調査に参加いたしました。

労働者に対する家族の思い。あなたは働く家族を見て何を感じますか?

5_働き方

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労働者と家族からみた「働き方改革」アンケート調査結果―――――――――――――――――――――――――

  • アンケート結果

まずは家族から見た「働いている家族」の働き方は?
勤め先の評価は?という質問です。

働く家族の内訳は
夫(つまり回答者は妻)77%、 妻(回答者は夫)14.4%、
子4.3%、親(回答者は子供)3.6%

と圧倒的に働く夫とその会社に向けたご意見です。

アンケート回答結果は、
「働いている家族の働き方や勤務先に不満がある」 全体の約3割

具体的には、「仕事で疲れている 48.6%」「帰宅が遅い 45.3%」
「給料が少ない 42.0%」でも、「転職してほしくない 50.9%」

給料では年収500万円を下回ると転職を勧める態度が現れ
在宅時間が11時間を下回ると不満が高まる可能性があると推察されました。

働き方・勤務先への家族の評価は生活の安定や、生活時間の確保、
健康面の管理といった点が影響するようです。

これら家族が勤務先に期待する「配慮すべき要因」
労働者自身はどのように捉えているのでしょうか。

労働者のアンケート回答結果は満足度で点数化され

業務量・仕事内容に見合った給与・手当に不満度が高く、
さらに、精神的ストレスへの配慮や疲労回復のための時間

といった健康面に対する会社の配慮に満足度が低かったようです。
給与は年収600万円超で満足度が高まるようです。

残業時間10時間未満、
有休取得15日以上で満足度が統計的に有意であるという結果です。

長時間労働が常態化している会社では、健康面の管理として、
残業時間削減や有給休暇取得向上が必要だということが頷けます。

さらに、「会社の働き方改革は進んでいる」と肯定的に評価している労働者ほど
仕事と生活の満足度は高いという結果もありました。

「上司は働き方改革に積極的である」
「業務改善を行えるよう時間の確保に積極的」
「職場では、残業削減や休暇取得向上は業績にプラスの影響があると考えている」
職場が働き方改革を肯定的に意識し、計画立案をして実施の時間を確保することが影響するようです。

これまでの結果、いかがでしょうか。
予想通りの方向だという方が多いかもしれませんね。

ここからは、家族からの声をご紹介します。

  • 家族からの声(抜粋)

まずは妻の声

「夫の帰りが遅く、ワンオペ育児を強いられた」
「小さい子供がいることを知りながら、(海外)出張を命じる会社に不信感を持った」

「採用時の条件が変更され、転勤を命じられた。子供の教育費がかかる年齢になっており、受け入れざるを得なかった」

ふつふつとした怒りや不満を感じますね。。
一方ではこんなお言葉も

「夫に安定した収入があったからこそ、平和に家庭生活ができた」
会社や夫への感謝ととるのか、はたまた・・・

次に親の声です

「低賃金で残業多い。雇い主に便利に使いまわされている様子を見ていると、親としては転職してほしいと感じる」

バブリーなご意見もあります。

「会社に成長の見込みがあれば、働いていて面白い。バブルの頃は長時間労働でとてもしんどかったが、楽しかった」

ご自分の体験を振り返り、お子さんの働く姿をみて
今の会社の成長の見込みや働きがいに思うことがあるのでしょうか?

さらに子の声です

「楽しそうに仕事をしているときは遅くまで働いてもさほど気にならないが、義務としてしんどそうにやっているときは『辞めればいいのに』と感じる」

「帰宅してからも仕事の事を気にしながら過ごしている。オフの時間は仕事の気がかりがない状態で、自分の好きなことや本当にやりたいことをやってほしい」

働く親をよく見ていますね。

また、自分の価値観をもっている様子がわかります。

こちらはかなりポジティブなご意見です。

「健康診断の受診状況などをまめに聞き合わせてくる。会社が父の健康に気を配っていることが頼もしい」

「クリスマスの時に会社がチョコレートをくれた。小さなことだが、とてもうれしかった」

自分の家族が大切に扱われることがわかると、会社の評価があがるのですね。

つまり、家族が重視するポイントは

 妻 安定収入、子育て支援や転勤などの家族への配慮がある

親 収入や福利厚生面での待遇がよい

子 働きがい、オンとオフ、会社と(家族)の接点がある

 という結果のようです。

意見の違いはその人自身の経験、価値観、利害関係によって影響を受けるといわれています。
現在の働き盛りと親世代、また子供の世代で働き方を柔軟にシフトしていく必要があるのでしょうね。
会社の業種、業態および組織風土、個人によっても求める働き方は同じではありません。
より多くの人が働き方改革によってポジティブな評価をもてるとよいと考えます。

さて、あなたの働き方改革、いかがですか?

※調査は2018年12月から2019年11月、
グループインタビュー形式での聞き取り調査
(対象 労働者の妻 6名、 労働者の親 6名、 労働者の子5名)
一般財団法人 兵庫勤労福祉センター セミナー資料より抜粋