MEDIVA健康コラム

良質な脂肪を「くるみ」から

2013年11月26日(火)

朝夕冷え込む季節になりました。

冬は、気温が低下し、身体は血管を収縮させて体温を維持しようとする為、血圧が上がりやすく、高血圧から心筋梗塞を起こしやすくなる危険性が高まると言われています。

これらの予防の為にも、動脈硬化を予防する食事が大切です。

その食事の一つとして、魚があります。

魚には、動脈硬化を予防する効果の期待できる良質な脂肪が多く含まれ、注目されています。

しかし、日本人の半数以上が摂取目標に達していないと言われています。

逆に、脂肪は脂肪でも、揚げ物や肉、乳製品、ケーキ、クッキーなどに含まれる脂肪は摂り過ぎが問題となっています。
肥満や病気の原因の一つとして敬遠されているのは、これらの脂肪のことです。

良い脂肪を摂る為に、魚が良いのはわかっているけれど、

・毎日料理をするのは大変、、、
・子供が嫌いで食べてくれない、、、
・ついついお肉を選んでしまう、、、

といった理由などで、毎日の食事で食べるのが難しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はそんな方にも手軽に摂っていただける、ナッツの脂肪をご紹介します。

ナッツと言えば、アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオなど種類は沢山ありますが、
今回私がおすすめしたいナッツは『くるみ』です。

くるみには、魚と同じ組成の脂肪がナッツ類の中で一番多く含まれています。

この脂肪は、体内では作ることができない上、人間にとって必要不可欠な栄養素で、食事から摂る必要があります。
「魚をあまり食べていないな~」という方や、「おやつには、スナックが欠かせない」「お酒のおつまみは、いつも決まって柿の種」という方にも、是非とり入れていただきたいと思います。

くるみの良い点は、おやつでも食事でもとり入れやすいというところです。
シンプルにそのまま食べても良いですし、少し甘い物を食べたい時にも、くるみに蜂蜜やメープルシロップを少し絡めたおやつの方が、ケーキやクッキーのようなおやつより体にとって良い脂肪が摂れるだけでなく、過剰な糖分や脂肪を抑えることができます。

また、お料理にも幅広く活用することができます。

例えば、ごま和えのごまの代わりとして活用したり、すり潰してドレッシングのコク出しに使ったり、フライの衣の代わりにしたりすることにより上手にくるみの栄養素を補うことができます。

日本でのくるみの生産量は、長寿日本1位の長野県が最も多いというデータですが、 信州では、くるみだれで蕎麦をいただく「くるみ蕎麦」や「くるみおはぎ」が地元の定番料理だと言われています。

また、くるみは質の良い脂肪が取れるだけでなく、血液や筋肉を作るタンパク質や
体の調子を整えるビタミン・ミネラル、腸内環境を整える食物繊維などの栄養素も
補うことが出来ます。

体にとって良い脂肪やビタミン・ミネラルなどの栄養素が摂れるくるみですが、残念ながら沢山食べれば健康になれるというわけではありません。
健康の為に、と毎日沢山食べてしまうと、くるみの約7割は脂肪ですので、脂肪の摂り過ぎでカロリーオーバーになってしまったり、消化不良を起こしてしまうこともあります。
せっかくの努力が本末転倒になってしまうともったいないですよね。

1日に食べる量の目安としては、カレースプーン1杯くらいまでにしましょう。

健康な身体を作る為には、先ず、様々な食品から必要な栄養素を補う必要があります。

バランスの良い食事を心掛けた上で、いつものメニューに工夫してとり入れ、よく噛んで召し上がっていただくのが理想です。

また、美味しく食べられるようにする為に、油で揚げたり食塩を添加しているものもありますが、なるべく無添加の物を選んでいただいた方が安心でしょう。

良質な脂肪を摂る方法のひとつとして、是非くるみを活用してみてください。

 (管理栄養士 丸田 美幸)