間食のとり方 ~高齢者の方へ~
2013年09月27日(金)
高齢者の方にとって、「間食(おやつ)」は1日の楽しみの一つになっていることも多いのではないのでしょうか?
もともと、「おやつ」は、1日2食だった江戸時代に、農民たちが「八つ刻(やつどき)=午後2時~4時」に間食をしていたことが由来だと言われています。
「おやつ」と言うと、甘いチョコレートやクッキー、せんべいなどのお菓子を思い浮かべるかもしれませんが、おやつ=お菓子、というわけではありません。
今回は、2つのタイプに分けて、間食の上手なとり方をご紹介します。
<食欲がなく、食べる量が減っている方>
最近、食欲がなく、
「朝ごはんを食べていない」
「そうめんやパンなど簡単なもので済ませている」、
こんな方はいらっしゃいませんか?
年をとるとともに、唾液の量が減り、噛む力や飲みこむ力が弱くなることで、 食欲の低下が起こりやすくなります。
食事の量が減ると、普通に生活をしていても、「栄養不足」になり、体重の減少や筋肉量や筋力の低下などが心配されます。
また、免疫力が低下するため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
理想は、1日3食、バランスのいい食事をとることです。
バランスのいい食事とは、
1、主食(ご飯、パン、麺)
2、主菜(魚、肉、卵、大豆、乳製品)
3、副菜(野菜、海藻、きのこ) を組み合わせることです。
ただ、食欲がなくて、しっかり食事をとれない時は、「間食」を1つの食事として取り入れてみてはいかがでしょうか?
ご飯などの主食が減っている時は、「糖質」を補う
・おにぎり、サンドイッチ、ふかし芋などおかずの量が減っている時は、「たんぱく質」を補う
・牛乳、ゆで卵、チーズ、卵豆腐、豆乳、冷奴、かまぼこなど
がおすすめです。
手軽にとれるように、ごはんを一口大にしておいたり、牛乳や豆乳を冷蔵庫に常備しておくと安心ですね。
前の食事で何を食べたのか覚えておき、足りていないものを「間食」で補うことで、「栄養不足を防ぐ」ことにつながります。
また、食事前にお菓子を食べて、食事が食べられなくなっている場合は、お菓子は食後の楽しみに、まずは食事をとることを優先しましょう。
<1日3食しっかり食べられている方>
毎食しっかり食べているが、「ついついお菓子にも手がのびている」 「食後には必ずデザートを食べる」。
こんな方の場合は、食事からのエネルギー(カロリー)を摂り過ぎているかもしれません。
必要以上のカロリーを摂ると、体重が増加し、糖尿病や高血圧などの生活習慣病になりやすくなったり、腰やひざへの負担が大きくなり、生活に支障をきたすことがあります。
1日の間食の量は、1日に必要なエネルギー量の1割くらいが目安です。
例えば、まんじゅうなら1個、せんべいなら2~3枚、かりんとうなら3~4個、カステラなら1切れ、アイスクリームなら小1個です。
菓子パンやケーキは、カロリーが高いものが多いので、食べ過ぎには注意が必要です。
カロリーの低い「間食」でおすすめのものは、「果物」や「ゼリー」です。
果物は、ビタミンをはじめ、ポリフェノールやカロテノイドなど老化を防止する
抗酸化作用のある栄養素がたっぷり。
りんごなら1/2個、みかんなら1~2個、ぶどうなら1/2房程度、が1日の適量です。
缶詰やドライフルーツは、砂糖が加えられており、カロリーが高くなっていますので、 生の果物の半分くらいまでが目安です。
果物やゼリーは、甘みを楽しめると同時に、「水分の補給」にもなります。
高齢になると、のどの渇きを感じにくくなり、水分摂取量が減る傾向にあります。
水分が不足すると、頭痛や脱力感などの脱水症状が起こることがありますので、「間食」にも上手に「水分」を取り入れることがおすすめです。
ただ、炭酸飲料や乳酸菌飲料、飲むヨーグルトなど甘い飲みものには、思いのほか糖分がたくさん入っています。
また、100%果汁もスティックシュガー5~6本くらいのカロリーがありますので、飲みものは、できるだけお茶やお水など甘くないものがおすすめです。
高齢者の方にとって、「間食」を上手にとることは、「元気に過ごす」ポイントになります。
現在、通院をされている方は、主治医と相談しながら、それぞれのライフスタイルや健康状態に合わせて「間食」を楽しんでください。
(管理栄養士 吉澤 ちえ美)
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