MEDIVA健康コラム

夏風邪に負けない食事

2013年08月28日(水)

現在流行している夏風邪の一種「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜熱(プール熱)」は、喉の痛みの症状が共通しています。
そのため、食べ物や水分が飲み込みにくくなり、食事が摂れずに体力が低下したり、脱水症状を起こしてしまうことがあります。
また、咳や発熱、嘔吐、下痢なども、食べ物によって助長されたり悪化する場合もあるので、症状に合わせた食事をとることが早い回復につながるといえます。

今回は、夏風邪に負けないための症状別おすすめ食品や、レシピをご紹介します。

 

●喉が痛い、咳がひどい、熱が高い時

熱いものや味の濃いもの、唐辛子やこしょうなどの香辛料は、喉の痛みを悪化させたり喉を刺激して咳を誘発するので避けましょう。

ただし、生姜や大根の辛味は、咳を鎮めたり喉の痛みを和らげるといわれ、食欲増進にも役立ちますので、積極的に摂り入れたい食品の一つです。

その他には、のど越しの良い水分が多いものや冷たいものが、喉の痛みや腫れなどで飲み込みにくい時にはおすすめです。

体温が上がると、身体の中でたんぱく質やビタミンがたくさん消費され、体力や抵抗力が低下するので、早い回復のためには、卵や豆腐などの消化の良いたんぱく質や、野菜や果物などからビタミンを補うことも大切です。
<おすすめ食品>

おかゆ、うどん、卵、豆腐、生姜、大根、ヨーグルト、アイスクリーム、ゼリー、プリンなど

<おすすめ簡単レシピ>

冷製茶わん蒸し小田巻風

材料(2人分)…そうめん50g 卵1個 だし汁1カップ 塩小さじ1/2
しょう油小さじ1/2

作り方 …
1、卵をボールに割り白身を切るように混ぜ、だし汁を合わせる。
2、器に、茹でて食べやすい長さに切ったそうめんを入れて、
卵液を流し入れる。
3、鍋にアルミで蓋をした器を並べ、器の半分くらいの高さまで
水を入れる。
4、鍋に蓋をして強火で加熱し、沸騰したら弱火にして10分、更に
火を止めて余熱で10分。
5、粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やす。

 

●嘔吐・下痢がある時

水分だけでなく電解質(ナトリウムなど、体内の水分バランスを保持し身体の調子を整える物質)も失われるので、脱水症状の予防・改善のためには水分だけでなく塩分も補うことが大切です。

味噌汁の上澄み、薄味の野菜スープ(具なし)は水分・塩分ともに摂ることができますのでおすすめです。一度にたくさん摂ると嘔吐を助長させてしまうので、様子を見ながら少しずつ摂るようにしましょう。

市販のスポーツドリンクは手軽ですが、糖分が多いので倍に薄めて飲むようにするか、手作りすることもできます。
【手作りスポーツドリンク】

水500ml+食塩1g(親指、人差し指、中指の三本指で一つまみ分)
+砂糖大さじ2+レモン果汁適量…ペットボトルで作ると簡単です。

※保存がきかないので冷蔵庫で1~2日で飲みきってください

食事はいつもより柔らかく水分・塩分を少し多めにしましょう。
梅干し入りのおかゆやうどんなど消化の良いものがおすすめです。

牛乳や脂肪の多い食品(揚げ物、ラーメン、中華料理など)や砂糖を多く使ったもの、みかん等の柑橘系果物は、胃腸を刺激したり消化が悪いため症状を悪化させることもあるので避けましょう。

<おすすめ食品>

おかゆ、うどん、じゃがいも、豆腐、白身魚、りんごなど

<おすすめ簡単レシピ>

りんごのくず煮(りんごには整腸作用があります)

材料(2人分)…りんご1個、片栗粉大さじ1

作り方…
1、りんごは、半分量をいちょう切り、半分はすりおろして鍋に入れ、
水大さじ3で弱火で煮る。(焦げないよう注意)
2、透明になったら、片栗粉を水大さじ2で溶き鍋に入れ、
手早くかき混ぜて粘りが出たらできあがり。
手軽で口当たりのよい菓子パンやお菓子などは、食感がやわらかくても、砂糖や油脂がたっぷり使われているので消化が悪く、体調不良のときには回復の妨げになる場合もあります。

また、カップうどんなども手軽ですが、麺が油で揚げてあったり油揚げや天ぷらが入っていたりと、思っている以上に脂質が多く含まれていますので避けたい食品です。
夏風邪の予防、そして、夏風邪に負けないためには、胃腸に負担をかけないよう砂糖や油脂を摂り過ぎない食生活を心掛けるとともに、早い回復のためにも症状に合わせた食事をするようにしましょう。

(管理栄養士 石田 晴美)