MEDIVA健康コラム

介護は突然に——認知症AR体験とともに考える、従業員と歩む企業の健康経営

2025年05月23日(金)

ある日、介護は始まる【企業の介護支援の第一歩】

「お母さんが倒れた」「父の様子がヘンなんだ」。
そんな一報は、平日の昼間、職場のデスクにいるときに突然やってきます。
「まさか自分が…」「いつかはね…」と思っていたのに、ある日を境に“自分ごと”になる。
多くの人にとって、それはあまりに唐突です。
近年、注目されている「健康経営」。従業員の健康を経営戦略の一部として捉え、
従業員の活力向上や生産性の向上につなげる取り組みです。
その中に、ついに「企業の介護支援」が加わりました。
これは、従業員のライフイベントとして避けて通れない介護の問題に、
企業としてどう寄り添うかを問うものです。

増え続けるビジネスケアラーと企業の対応【ビジネスケアラー支援】

日本では65歳以上の高齢者が人口の約30%を占めており、
今後もその割合は上昇する見込みです。
これに伴い、働きながら家族の介護を担う人、
いわゆる**ビジネスケアラー(ビジネス+ケア)**が急増しています。
厚労省によると介護離職は年間約10万人とも言われており、
その背景には「どうしたらいいのか分からない」
「会社に相談しにくい」という従業員の切実な悩みが存在します。
特に中核となるのは40~50代の管理職層。
まさに働き盛りといえる世代が介護と仕事の両立による心身の負担から、
時にキャリアを諦めざるを得ない現実があります。
これは企業にとっても重大な課題です。人材の流出や生産性の低下、
組織の安定性への影響など、経営に直結するリスクが高まっているのです。
今や健康経営は、「心と体」だけでなく「家庭との両立」までを視野に入れた、
「ライフ」全体を支えるフェーズに入ったといえるでしょう。
ビジネスケアラー支援は、その中心的な取り組みとなります。

認知症AR体験がもたらす“気づき”-想像から共感へ-
【職場の認知症理解】

■職場で進める認知症理解と体験の重要性

そこでご紹介したいのが、先日当社内で実施した認知症AR体験のイベントです。
特に認知症は、“理解されにくい”介護の代表格。
そんな認知症当事者の“世界”をリアルに感じられる体験型イベントを通して、
認知症の症状(視野狭窄・空間認識障害など)を体験し、
単なる知識ではなく“共感”を生む取り組みです。
使用ツールは、当社が提供している認知症AR体験『Dementia Eyes』
このようなイベントは、職場での認知症理解を深め、
従業員同士の相互理解や支援文化の醸成にもつながります。

■体験者の声から見える「共感」の力

体験者の多くが、「見えている世界が全く違った」「もっと早く知っていれば」
「親の気持ちが分かった気がする」と口々に語ります。以下は実際の体験者の声です。
  • ●認知症について知っていたつもりだったけど、それは「情報」であって「体験」ではなかった。
  • ●「体験」することで自然と「優しくしよう」という気持ちが生まれたことが不思議でした。
  • ●ARは映像としての情報ではなく、環境が変わってもみんなが同じ体験を共有することができるので、 「共感」しあえる良いツールだと思いました。
  • ●若くて健康な同僚たちがARをつけると、まるで高齢者のような動きをすることがとても興味深かったです。
  • ●視野が狭く距離感がつかめない恐怖、サポート時の手の強さや音の刺激が恐怖に感じられるという感覚は衝撃的でした。
  • ●認知症の方が怒りっぽく見えるのは、周囲の配慮不足が原因かもしれないと気づかされました。
  • ●初めてのAR体験でしたが、認知症のことを“自分事”として考えられる良い機会でした。

共感を土台にした組織文化の醸成へ

このように「体験」に基づく“理解”や“共感”があることが、組織文化を作り上げ、
支援を受けやすい職場風土の土台作りを加速させます。
企業の介護支援やビジネスケアラー支援、そして職場での認知症理解は、
いまや選ばれる企業になるための新しいスタンダードとなりつつあります。

もし、自社内の健康経営施策の1つに介護と仕事の両立支援の一貫で
この認知症AR体験『Dementia Eyes 』 に取り組んでみたい、というご企業様。
お気軽にお問い合わせください。

貴社にフィットする健康経営施策をアレンジさせていただきます。
メディヴァ認知症AR体験『Dementia Eyes』
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