MEDIVA健康コラム

昼食を抜くとなぜ良くないの?

2017年06月28日(水)

食事は1日3食が理想と分かっていても、忙しかったり、朝食が遅かったりするだけでなく
、梅雨の季節は特に、雨だったりすると、外に食事を買いに行くのも面倒で、『昼食を食
べないことがある』という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

朝食をしっかりと食べていても、昼食を食べないことは体にとって大きなデメリットがあ
ります。

今回は昼食を食べないことによる影響を2つに分けて確認していきましょう。

1.栄養素が不足してしまう

当然ながら、1食分食事を抜いてしまうと、1日の必要な栄養素を摂ることができません。
栄養素は慢性的に不足してしまうことで全身の機能が低下し、体力が低下しやすいため、
病気にかかりやすくなったり、疲れやすくなるなど様々な体の不調を引き起こします。

また、食事に含まれるたんぱく質やビタミンが不足することは、血管や筋肉、内臓の
老化を早めるだけでなく、仕事や勉強の効率を低下させる原因となります。だからと
いって1日に必要な栄養すべてを2回に分けて摂取しようとすると、 胃腸や肝臓などの
負担になってしまいます。

さらに空腹時間が長すぎると、筋肉もエネルギー源に使われるため筋肉量が減少し、
代謝を低下させ、 太りやすくなったり、スポーツでのパフォーマンスの低下にも繋がり
ます。

  2.病気や肥満の原因になる

食事の間隔は約6時間が理想的と言われます。
しかし、昼食を抜くと夕食までの時間が理想の倍ほど空くことになります。
すると、夕食の食事量が多くなり、3食定期的に食事を食べた場合より血糖値が上がり
やすくなります。
血糖値が上がることでインスリン(血糖を下げるホルモン)の分泌量が増えると、す
い臓へ負担がかかるほか、インスリンの作用によって糖を細胞の中に取り込むため、
脂肪として蓄積されやすくなります。

また、体内で脂肪の合成を促すタンパク質の働きは日中が最も低く、夕方の18時以降
に右肩上がりで活発になると言われています。

さらに、夜間の時間帯は自律神経の1つである副交感神経が優位になり、腸からの食べ
物の吸収が高まりますので、夕食の量が多いと太りやすくなるというわけです。
このようなことから1日3回の食事で、割合としては朝:昼:夕=3:3:4くらいに食事の
量を配分することが理想的と言われています。

また、夕食が遅くなりがちの方は、3:4:3くらいの割合にされることがおすすめです。
尚、昼食を食べると眠くなってしまう方は、ベースには睡眠不足はないか、炭水化物や甘
いデザート類が多くないかチェックしましょう。
体のリズムは昼食を食べなくても14時くらいには眠くなるのですが、炭水化物や甘いもの
が多いと血糖値が急上昇することで、眠気を強くしてしまうと言われています。

昼食を抜くことによる影響を見ていきましたが、どうしても昼食を抜いてしまう方の場合
、まずはおにぎりやサンドイッチなど手軽に食べやすいものから取り入れてみましょう。
さらに、食事の中身も考慮して選べると、まんべんなく栄養素を摂ることができて理想的
です。

☆おにぎりの場合

具材によってメリットとデメリットがあります。
腹持ちの良さや少しでもエネルギーを摂りたい方は、ツナマヨネーズやカルビなどを
選ぶと良いですし運動をする、あるいは多く汗をかく場合は梅や昆布など塩分が多めのも
のがおすすめです。

良質なたんぱく質が摂れて、どんな方にもおすすめなものは大きめの鮭が入っている
もの、あるいは納豆巻などです。

さらにごはんも雑穀米や赤飯、もち麦などを選ぶと、食物繊維やミネラルが多く摂れ
、血糖値がゆるやかに上がる特徴があります。

☆サンドイッチの場合

マヨネーズを多く使用したものは1個でエネルギーを摂ることができます。
また、中に挟むものによって、肉や卵、ハムなどがある方がたんぱく質を多く摂れま
すし、レタスやトマトなど野菜がある方がおすすめです。

さらに、パンの種類も選べそうあれば、胚芽パンやライ麦、全粒粉のものですと栄養価
が高くなります。
これらを食べる習慣が付いてきたら、さらに肉や卵なども一緒に入っている野菜サラダや
具沢山のスープなどを1品と、ゆで卵やヨーグルトなどを1品ずつ追加すると、栄養のバラ
ンスが良くなり、生活習慣病の予防や眠気防止にも繋がります。

昼食をしっかり食べて、暑い夏に向けて健康な体づくりをしていきましょう。

(管理栄養士 朝隈 加奈)