MEDIVA健康コラム

血糖値をゆっくりと上げる食事

2015年06月28日(日)

これから暑い日が続いてくると、食欲がなくなり、つい「そうめんだけ」「ざるそば だけ」などの食事になる方も多いのではないでしょうか。

確かに暑い日は、のどごしの良い麺類が食べやすいですよね。ただ、このような食事 は『血糖値を上げやすい食事』になり、健康を維持するには、あまりお勧めできる食べ方 ではありません。

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量を表したもので、血糖値を上げやすい 食事を続けることは、肥満症や糖尿病などの生活習慣病の原因のひとつになることが あります。食事をしたときに血糖値は上がりますが、その「上がる速さ」がとても重要な 問題で、ゆっくりと上げる食べ方ほど体に負担をかけないといわれています。

そこで今回は『血糖値をゆっくりと上げる食事』についてお話をしたいと思います。 *1. 食事の選び方*

食べ物にはどんなものにも糖質が含まれていて、食事をするたびに食品中の糖質が 体の中でブドウ糖に分解されて血糖値が上がります。しかし、食品によって含まれている 糖質の量は違い、糖質が多く含まれている食品ほど血糖値は速く上がります。

一番速く血糖値を上げるものは、口に入れてすぐ甘いと感じる砂糖やブドウ糖などの 糖類です。次いで、糖質が多く含まれているご飯・パン・麺類になります。 その次に糖質よりもたんぱく質や脂質を多く含む肉・魚・卵・大豆製品・乳製品の順に なります。

一方、野菜・海藻・きのこ・こんにゃくなどは血糖値が急激に上がるのをおさえてく れます。その理由は、食物繊維が多いため私たちの体の中でほとんど吸収されず、 胃腸の中をゆっくりと移動し糖質の吸収をゆるやかにしてくれるからです。よって、 冒頭の「そうめんだけ」「ざるそばだけ」の食事は、たんぱく質や脂質、食物繊維が少なく、 血糖値を速く上げる糖質が多い食事ということがわかります。ここに、不足している たんぱく質や脂質、食物繊維が多く含まれる食品を加えて食べると血糖値の上がり方は ゆっくりになります。

例えば、ざるそばを大盛りにするよりも、天ぷらそばにすると、油の働きで血糖値の 上がり方はゆっくりになります。また、きゅうりやトマト、ハムや卵などの具材をのせて 冷やし中華風にしたり、ネギや大葉、大根おろしやきざみ海苔などの薬味を添える、 あるいは、別に枝豆やサラダなどを一品プラスするのもお勧めです。つまり、血糖値を ゆっくりと上げる食事とは、カロリーの低い食事というわけではなく、”バランスの良い 食事” ともいえます。プラスすることでカロリーが増えることが気になる方は、麺の量で 調節することをお勧めします。

*2. 食べ方*

同じものを食べるにしても、食べ方によって血糖値の上がり方がゆっくりになること もあります。

1)食べる順番として野菜類から先に食べる

いきなり糖質が多く含まれるご飯・パン・麺類からではなく、食物繊維が多く含まれる 野菜類を先に食べることで、血糖値の上がり方がゆっくりになります。食物繊維の中でも 特に、水溶性食物繊維を多く含む海藻類や豆類は血糖値が上がるのをおさえてくれる食品です。

食べる順番としては、

1, 野菜・海藻・きのこ・こんにゃく

2, 肉・魚・卵・大豆製品・乳製品

3, ご飯・パン・麺類

の順に食べると血糖値の上がり方はゆっくりになります。ただし、野菜である芋類・ かぼちゃ・とうもろこしなどは食物繊維も含まれていますが、同時に糖質も多く含む野菜 になります。今が旬のとうもろこしなどを食後やおやつに食べる時には、量やタイミング に注意が必要です。

2)よく噛んでゆっくり食べる

そうめんやざるそばなどの麺類はツルツルと食べやすいところがメリットでもあり
ますが、麺類はよく噛むものが少ないので、早食いになりやすい食事でもあるのです。 早食いの方の中には、食後に急激な眠気がしたり、食べたはずなのにすぐにお腹が空く といったご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは、糖質の多い 食事を早食いすることで、血糖値が急激に上がっていることが影響していることも 考えられます。麺類を食べるときには、一口ごとに噛む回数を20~30回と意識したり、 家で作るときには、あえて麺は硬めにゆでてよく噛むようにするのも一つの方法です。

これから暑さが本格化してきますが、「そうめんだけ」「ざるそばだけ」などの食事
は、血糖値を上げやすいだけでなく、必要な栄養素が不足して夏バテにもなりやすい食事 です。また、今回ご紹介した血糖値をゆっくりと上げる食事は、太りにくい食事のとり方 にもなりますので、ぜひ血糖値の上がり方をゆっくりにするお得な食べ方をお試しください。

(管理栄養士 澤田真由子)