“食欲の秋”と上手につきあう間食のとり方
2014年10月30日(木)
味覚の秋、食欲の秋と、とかく実り多いこの時期は、食べ過ぎや飲み過ぎになりやすく、
また、朝晩が冷え込むようになることで、思いのほか身体に負担がかかる時期でもあります。
その結果、お腹が緩くなったり風邪をひいたりと、体調不良を起こすことも多いようです。
そんな体調不良の時には「消化の良い食べ物を摂るとよい」とよく言われますが、
具体的にどんなものを摂ったらいいのでしょうか。脂っこくなく、柔らかいもの…
というイメージはあるかと思います。
大方間違っていませんが、具体的となると、消化の良い食べ物と思っていたものが
実は消化の悪い食べ物だった…ということもあります。
今回は胃腸にやさしい食事について、また、外食・コンビニ利用時の消化の良い食べ物を
選ぶポイントなどをご紹介します。
【胃腸にやさしい食事について】
●消化にかかる時間が短いもの
胃腸にやさしい食事とは、消化にかかる時間の短いものになります。
よって、体調不良時に食べる定番のおかゆやよく煮たうどんが、消化時間が短く最適と
いえます。
逆に一番消化に時間がかかるのがアブラ(脂・油)ですので、揚げ物はもちろん、
チャーハンなどもご飯が油でコーティングされている状態なので、
消化に時間がかかってしまいます。
他に、菓子パンや揚げ麺のカップ麺、ケーキやドーナツ、アイスクリーム、スナック菓子、
チョコなどの菓子類もアブラが多く消化が悪いものになります。
また、調理方法によっても消化の良し悪しが異なり「煮る・蒸す→焼く→揚げる」の順番
で硬くなったり油を使うことで消化が悪くなります。
卵は「半熟卵→ゆで卵→生卵→目玉焼き→卵焼き」の順番で油を使う量が増えることから
消化に時間がかかることになります。
<消化にかかる時間の短い食品>
とりささみ肉、ヒレ肉、鯛、カレイ、ヒラメ、アジ、スズキ、サケ、タラ、豆腐など
<消化にかかる時間の長い食品>
バラ肉、ひき肉、ハム、ウインナー、サンマ、サバ、イワシ、ウナギ、油揚げ、
がんもどきなど
●胃を刺激しないもの
硬いものや冷たいもの、熱すぎるもの、香辛料も胃に刺激を与えてしまうため、
胃の働きを阻害してしまいます。柔らかく、程よい温度で、香辛料を使わないものが
おすすめです。
コーヒー、アルコール、炭酸飲料、柑橘類やパイナップルなど酸味のある果物も
胃を刺激しますので、避けるようにしましょう。
●食物繊維の少ないもの
食物繊維を多く含むものは、胃腸を刺激したり消化に時間がかかるため、
食物繊維の少ないものを、細かく刻んでよく煮たものほど消化が良くなります。
つまり、そばよりもうどん、コーンフレークやオートミールよりも食パン
(何も入っていないもの)やご飯の方が、消化が良いといえます。
きのこ類、海藻類やこんにゃくは食物繊維が多く消化が悪いものになります。
<果物>
食物繊維の少ないもの…りんごやバナナ、桃、りんごや桃の缶詰
食物繊維の多いもの…ドライフルーツや砂糖漬けの果物、梨、パイナップル
<野菜類・海藻類>
食物繊維の少ないもの…人参、大根、カブ、ほうれん草の葉先、
白菜、キャベツ、カボチャ
食物繊維の多いもの…ゴボウ・レンコン・たけのこ・オクラ・昆布・ワカメ
<芋類>
食物繊維の少ないもの…じゃがいも、里芋、山芋(煮たもの)
食物繊維の多いもの…さつまいも・こんにゃく
【コンビニや外食で消化の良いものを選ぶときのポイント】
●コンビニ
<お弁当>
揚げ物の少ないものを選んだり、揚げ衣を取る。
ミートボールやハンバーグもひき肉を使っているので避ける。
<パン>
ハムカツサンドなど揚げてあるものが入っているサンドイッチや、
カレーパンなどの揚げパン、クロワッサン、デニッシュは油が多く使われていて
消化が悪くなるため、卵やハムのサンドイッチやシンプルなパンがおすすめ。
<おにぎり>
揚げ物が入ってないもの、マヨネーズを使っていないもの。
<その他>
お浸し、煮ものなど火の通った野菜や、卵豆腐、茶わん蒸し、おでんの大根や卵、
はんぺんなどがおすすめ。
●外食
ラーメンやパスタは油や唐辛子などを多く使っていることが多いので、
うどんや魚の定食などがおすすめ。
家庭での食事では、全くの別メニューを作ることは大変ですので、
同じ材料の中で消化の良い食材を調味前に取り分け、体調の度合いに合わせて、
更に煮る、刻むなどして薄味に仕上げましょう。
おかゆもレンジなどを利用すると簡単です。
☆軟飯:ご飯軽く1杯分(100g)に水1/2カップ(100ml)を加えラップをして500wで5分、
そのまま3分蒸らす。水の量を増やすとゆるいおかゆになります。
吹きこぼれやすいので大き目の器で作って下さい。
体調不良の時は、胃腸をいたわりつつ回復に必要な栄養補給をすることが大切です。
消化に良い食材、調理法を選んで、体調に合わせた食事をしましょう。
(管理栄養士 石田 晴美)
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