「第6回特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」が開催されました
2016年05月17日(火)
先日5月10日に厚労省にて「第6回特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」が開催されました。
傍聴した内容をご報告させていただきます。
当日の資料は下記にありますので、ご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000123821.html
現行の肥満者を対象とした特定健診・特定保健指導自体は効果があり、今後も実施を継続していくという前提のもと、当日は以下3つの論点について検討がされ、それぞれ次のような見解でした。
(1) 現行で特定保健指導の対象となっていない非肥満のリスク保有者(やせメタボ)に対して、対応は必要か
⇒今後、対応していくことが必要
(2) 保健指導対象者の選定・階層化基準において、腹囲を第一基準とすべきか
⇒今後の選定の考え方としては、
①リスク保有者(ハイリスク者)を抽出
②腹囲該当かどうかを見る(肥満か非肥満かで、介入方法が変わる)
基準値以上→特定保健指導
基準値未満→非肥満保健指導
(3) 腹囲の基準値は、男性85cm以上、女性90cm以上とすべきか
⇒従来のまま、男性85cm以上、女性90cm以上が妥当
これまでの特定保健指導の内容に加えて、さらに非肥満のハイリスク者への対応も行っていく、ということでした。
具体的な進め方については、今後議論がされていくと思います。
議論の過程で、次のような観点も出ていましたので、ご参考ください。
○喫煙リスクについて
・男性の非肥満では、リスク数があがっていくごとに、喫煙率が高くなっている。
やせメタボでは、喫煙がかなりのリスク要因と思われる。
喫煙しているために、非肥満分類に入っている可能性もある。
喫煙リスクを今後どのレベルで考えていくか。
○男女の性差について
・全体的に、男性は、女性よりリスクを一つ多く保持している
逆にいうと、女性はリスクが一つ増えるだけで男性並みに注意する必要がある。
・男性の非肥満者は、リスク数が多くなっていくほど、心血管疾患発症リスクも高くなっているが、
女性の非肥満者は、リスク数にかかわらず心血管疾患発症リスクが高い
→女性は、メタボ以外でもイベント発症リスクがある。女性への対応の仕方を変える必要があるのでは
○世界の肥満との比較について
・全世界でBMI30以上の成人割合:男性11%、女性15%
日本でBMI30以上の成人割合: 男性4.0%、女性3.8%
・OECD加盟国の32カ国のうち、BMI30以上の割合は日本が一番低い
→日本は世界と比較して肥満が少ないので、内臓脂肪面積・BMI25以上を特定保健指導の
階層化必須項目とするのは、合理性がある。
今後も、検討会の内容をお伝えしていきたいと思います。