MEDIVA健康コラム

『心理的安全性』の〇〇な一面

2021年09月05日(日)

こんにちは。

メディヴァ産業保健チームです。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回のコラムは「心理的安全性の〇〇な一面」です。

最近ヒューマンリソースで花形な話題の
「心理的安全性」ですが、意外な一面が?

最新研究の報告をもとに、チームでの心理的安全性を考えます。

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心理的安全性の意外な一面
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  • 心理的安全性とは

     

 チームのメンバーがリスクのある行動をとっても問題ないと受け入れられている状態。
Googleの調査アリストテレスプロジェクトが有名ですが、
古くは、組織心理学のエドガー・シャインが1965年に提唱したものです。近年ではエイミー・エドモンドソン(1999年)の提唱がよく知られています。
以下、心理的安全性にある状態です。

私はこのチームでミスをしても、非難されることが少ない
・チーム内のメンバー同士は課題やネガティブな事柄も言い合える
・チーム内で異質とされるものについて否定される傾向がない
・チームに対し、リスクの想定される行動をしても大丈夫
・チーム内のメンバーに助けを求めることが容易である
・チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない
・チームメンバーと一緒に仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる

アリストテレスプロジェクトの結論は
「チームのメンバーに心理的安全性があるとプロジェクトの生産性が高まる」
と発表され、世界的に注目されました。

しかし、ポジティブな結果ばかりではないようです。

  • 心理的安全性のネガティブな側面

     

 心理的安全性を高めると、ポジティブな結果とネガティブな結果に分かれる可能性があるというDual-pathway Modelモデルが発表されました(2019 Deng)。

ネガティブな経路とは心理的安全性が高まることで、モチベーションの低下、おしゃべりなど非生産的な行動が生じる方向です。

個人主義の人が多く集まるチームは、ネガティブな傾向があるといわれています。

さらに、成果や効率を重視する結果主義が多いチームは、不正行為などの非倫理的な行為をしやすい傾向であるとも指摘されています(2011 Pearsall)。これらは、会社にとって不利益となりかねません。

だからといって、集団主義や伝統を重んじるチームが優れているというのでもないでしょう。
なぜならば、チームメンバーは多様だからです。
集団主義のチーム内に、個人や結果を重視する人がいませんか。

各メンバーの心理的安全性を高めるだけでなく、
チームでの役割と目標を明確にして方向づけをすることで、
メンバー自身が自分の行動を最適化、
さらにチーム全体のパフォーマンスが向上していきます。
心理的安全性の醸成には助け合いの環境、良きリーダー、役割の明確化、
さらに、対話が不可欠だといわれています。

この機会に、チームメンバーとのコミュニケーションを
振り返ってみてはいかがでしょうか。