熱中症を予防する食事と水分補給について
2018年06月29日(金)
梅雨に入り、湿度が高く蒸し暑い日や、梅雨の中休みで晴れた気温の高い日も
ありますね。
体が熱さに慣れていない梅雨の晴れ間や梅雨明けの時期も熱中症患者が多く
見られるそうで、今からの時期も注意が必要です。
熱中症というとご高齢の方に多い印象ですが、昨年の5~9月に救急搬送された方
の年代別の割合をみると64歳以下の方が全体の50%強を占めていますので、
年代問わず気をつけたいものです。
熱中症の主な原因は、体温調節機能が乱れたり、体内の水分・塩分のバランスが
崩れたりすることです。
高齢者・乳幼児だけでなく、運動習慣の無い方や肥満の方、暑さに慣れていない方、
持病のある方(糖尿病、高血圧症、心臓や腎臓の疾患など)、
また、体調不良のときも発症しやすいといわれています。
屋外で作業・スポーツをする際はもちろんですが、エアコンを使用していない
暑い室内にいる場合も予防・対策を行いましょう。
今回は、熱中症を防ぐための水分補給や食事のポイントについてお伝えします。
〈水分補給について〉
■こまめに水分補給をする
のどの渇きを感じる前に、こまめに水分をとりましょう。
飲み物の種類は、カフェインの含まれるお茶やコーヒーより水・麦茶がおすすめです。
スポーツや肉体労働で大量に汗をかいたとき、または食欲不振、下痢で体の水分が
失われているときはスポーツドリンクを活用してもいいですね。
スポーツドリンクは糖分が多く含まれているものもありますので、
血糖値が高めの方、肥満の方は、飲む量や頻度に気をつけましょう。
■塩分を補う
気温の高い日に屋外で活動したり、スポーツをしたりなどでたくさん汗をかいたときは、
水分とともに塩分の補給も必要です。
コップ1杯(200ml)の水にひとつまみ(0.2g)程度の塩が目安量です。
なお、スポーツドリンクにはもともと塩分が含まれていますので、
水分補給とともに塩分補給もできます。
ただし、高血圧でしっかり3食食事ができている方は、塩分を補う必要が無い場合も
ありますので主治医にご確認ください。
■お酒を飲んだ時は
利尿作用により、飲んだお酒の量以上に水分が体の外に出ていってしまいます。
飲酒中やお酒を飲んだ後、翌朝などにも水分補給を心がけましょう。
〈食事について〉
■3食食べましょう
食事抜きによる活動エネルギー・栄養素の不足から、体調不良につながる恐れがあります。
熱中症の予防のために3食食べることを習慣づけることが重要です。
■栄養バランスの良い食事を
バランスの良い食事をこころがけて、体調管理をしながら丈夫な体をつくることが
熱中症の予防に大切です。
普段の食事で
・主食(ごはん・パン・麺)
・主菜(肉・魚・卵・豆製品・乳製品)
・副菜(野菜・きのこ・海藻)
をなるべくそろえられるといいですね。
暑さで食欲が無いときもあるかもしれませんが、
そうめんや冷や麦だけ、などにならないように気をつけましょう。
酸味(酢・レモンなどの柑橘類・梅干し)や香辛料を活用すると食欲が増進する
メニューになります。
また、夏野菜(オクラ・きゅうり・とうもろこし・トマト・なす・ピーマンなど)や
旬の果物(すいか・桃・メロン・さくらんぼなど)を食べるとビタミン・ミネラルが
摂取できるのはもちろんですが、水分量が多いため食材からも水分補給をすることができます。
なお、室内でも、キッチンで火を使って調理するなどの高温多湿の環境では熱中症を
発症しやすくなります。火を使わずに電子レンジで調理する簡単レシピをご紹介いたします。
~夏野菜の豚肉巻き~
1. 豚肉(薄切り・6枚位)に、しょうゆ大さじ1とみりん小さじ1をふりかけ、
味をなじませる。
2. かぼちゃは7~8㎜のくし形に切る。パプリカは1.5~2cm幅に切る。
なすはヘタを切り落とし縦に4等分に切る。
3. 豚肉を広げて青じそをのせ、2.の野菜のどれか1つをのせて端から巻く。
4. 巻き終わりを下にして深めの耐熱容器に並べ、
ふんわりとラップをして電子レンジ(600w)で約7~8分間加熱する。
※上記の野菜以外のお好みの野菜(オクラ・アスパラなど)、
きのこ(エリンギ・エノキなど)でもOK
日ごろから適度な運動をこころがけ、適切な食事、十分な睡眠をとり、
暑さに強い丈夫な体をつくり、熱中症を予防しましょう。
(管理栄養士 堀井 智子)
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