彩り豊かな食事で栄養をとろう
2017年05月01日(月)
新緑が眩しい季節となりました。
太陽の下、お弁当を持参して、自然と触れ合えるところに出かけたくなりますね。
お弁当を作るのであれば、彩り豊かな方が、見た目から美味しそうで、食欲もわき、食べ
るときにわくわくします。
また、普段の食事も色とりどりの食材を組み合わせることによって、栄養素密度(※)も
高くなります。
日本料理にも古来より「白・黒(茶)・黄・赤・青(緑)」の「五色」の食材を組み合わ
せることによって、健康が保てるという考え方があります。
※栄養素密度:カロリーあたりの栄養価の高さを表す指標
今回は『色』から見た食材の効用についてお伝えしたいと思います。
鮮やかなものといえば、真っ先に頭に浮かぶものに、野菜や果物があります。
<野菜>
赤・黄・緑→トマト・ニンジンの赤色、かぼちゃの黄色、
ほうれん草・ブロッコリーの緑色などの色の濃い野菜を
「緑黄色野菜」といいます。
これらの食材にはカロテンと呼ばれる抗酸化作用
(からだをさびさせないようにして動脈硬化を予防する働き)
があり、ガン予防や老化予防、動脈硬化の予防に効果があります。
その他→大根や玉ねぎのように色の淡い野菜を「淡色野菜」といいます。
大根の辛味成分であるイソチオシアネートはがん予防や消化作用・
殺菌作用・解毒作用があり、玉ねぎに含まれる硫化アリルは血液を
サラサラにし、血栓を予防する効果や免疫力を高める働きがある
といわれています。
野菜はお弁当の脇役になりがちですが、
このように健康効果が期待できる成分がたっぷり含まれています。
<果物>
イチゴやスイカなどの赤色、柑橘系のオレンジ色、キウイの黄色や緑色、
バナナの黄色、ブルーベリーの青色など、さまざまな色があります。
果物は総じて、ビタミンC、ビタミンB群、カリウム、食物繊維、
ブドウ糖や果糖の糖質が含まれています。
果物を食べたときに感じる酸味はクエン酸・リンゴ酸などの有機酸、
といわれるもので、これは糖質がエネルギーとして使われるために
不可欠な成分です。
効果としては、疲労を回復させたり、鉄の吸収を高めるため、
貧血防止に役立つといわれています。
お弁当のあとのデザートやおやつにおすすめです。
それ以外の食材はどうでしょうか。
<野菜や果物以外の食材>
○赤色の食材
鮭やエビ、カニの赤色はアスタキサンチンと呼ばれる天然の色素で、
抗酸化作用があるといわれています。
ごはんに鮭や桜エビをのせるだけでも栄養素密度が高くなります。
ちなみに鮭はもともと白身魚です。
鮭が赤いのは、エサとしてカニやエビを食べるからです。
また肉の赤身は筋肉を作る上で必要な良質なたんぱく質となります。
○黄色の食材
卵やカレー粉も黄色の食材です。
お弁当に欠かせない卵焼きは色だけでなく、
栄養素密度も非常に高い食品です。
良質なたんぱく質の他にビタミン・ミネラルを豊富に含みます。
また、カレー粉は発汗作用があるので新陳代謝を高めます。
さらに胃腸の働きを高め、食欲を増進させ、
疲労を回復する効果があるといわれています。
普段の野菜炒めに少しカレー粉を加ええてみてはいかがでしょうか。
野菜が苦手な子どももカレー風味で黄色く色づいているので、
食べてくれるかもしれません。
○白色の食材
ごはん、パン、麺類、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品も白色の食材です。
ごはん・パン・麺類などの炭水化物は私たちのエネルギー源となりますし、
牛乳・乳製品はカルシウムを多く含み、私たちの骨を作ってくれます。
大豆は『畑の肉』といわれており、良質なたんぱく質であるうえに
大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンとよく似た働きをし、
コレステロール低下作用や骨粗しょう症の予防に効果があります。
○黒(茶)色の食材
昆布・ワカメ・のり・もずく・ひじきなどの海藻類、
シメジやシイタケなどのきのこ類、黒ゴマ、ナッツなどは黒色の食材です。
海藻類やきのこ類は低カロリーで食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。
またゴマやナッツはコレステロールを下げる働きのある良質な油やビタミンE、
カルシウム・鉄・亜鉛などのミネラルや食物繊維を豊富に含んでいます。
黒の食材は5色の中で最も現代人が不足しがちな栄養素を多く含みます。
食卓に焼きのりを置いて手軽に食べられるようにしたり、
酢の物や汁物に海藻類やきのこ類を入れたり、
おやつにナッツを選択したりと、
意識して普段の食事に取り入れることが大切です。
このように食事を「白・黒(茶)・黄・赤・青(緑)」という『色』という観点でチェッ
クをして、色を増やしていくと、必然的に不足しがちな栄養もとれていきます。
食べたい食事を彩り豊かにして、毎日を健康に過ごしてみませんか?
(管理栄養士 柳生 奈美)
- Category:夏