MEDIVA健康コラム

五感で楽しむ間食

2016年03月29日(火)

間食した後、「あーあ今日も食べちゃった」と罪悪感を感じたことはありませんか?

最近食べた間食は何でしたか?

今回は、後悔せずに満足できる間食のとり方についてご紹介いたします。

 

そもそも食べ物が手に入りづらかった頃は、間食は嗜好品として娯楽にも勝る楽しみの一つでした。
そのため「何を食べるか」「いつ食べようか」「どこで誰と食べようか」を考えながら準備することも楽しみだったのではないでしょうか。

それが現在は、コンビニや24時間スーパーの進出で、いつでも食べたい時にお菓子に手が届き、ただ空腹を紛らわすため、なんとなく目の前に合ったからと、ついつい食べてしまう機会が増えてきているように思います。

また「ダイエットのために」と、お菓子のカロリーが気になって、十分に楽しむことができないとおっしゃる方も少なくありません。

間食を心から楽しむことは、日頃のストレスを軽減したり、生活をより豊かにしてしてくれます。
有意義に間食をとるために、五感で楽しむ食材を選んでみてはいかがでしょうか。

「おいしい!」と感じる時は幸せをもっとも感じる瞬間です。
人は舌で感じる味覚のほか聴覚、触覚、視覚、嗅覚の五感で“うまい”や”まずい”を判断します。

五感を満たしてくれる、おすすめの食品やポイントをご紹介いたします。

 

・味(うまみ)を楽しむ

間食というとチョコレートやあんこなどの甘みを強調する食べ物を思い浮かべる方が多いかもしれません。

味覚には[甘味][塩味][酸味][苦味]の4種類と[うまみ]があります。
普段、[甘味]の強い間食を選ぶ方は、自然の[甘味]を活かしたドライフルーツはいかがでしょうか。
食物繊維や、脂質と糖の代謝を助けるビタミンB群、利尿作用を促すカリウムが含まれており、便秘など腸のトラブルにも効果が期待できます。
そして鉄分が多いプルーンやレーズン、ビタミンCが多いマンゴーなど、それぞれ違った効果が期待できるので、少量ずつを組み合わせて食べるのもいいですね。
 
また時には、[甘味]以外の新しい味覚にも挑戦してみてはいかがでしょうか。
味覚の中で[酸味]と[塩味]には口腔内を刺激して唾液をより多く出してくれるので、味を敏感に感じられるようになり、よりおいしく感じさせてくれます。

他に唾液が増えることで虫歯や口臭などの口腔トラブルを軽減してくれる働きもあります。

[酸味]の感じるものとして酢昆布や果物、ヨーグルトがあります。

[塩味]は食欲をそそるため食べ過ぎてしまいやすく、とり過ぎには注意が必要ですが、昆布やするめ、干し梅は日持ちもよく便利な食品です。
同時に[うまみ]の代表となるグルタミン酸が豊富なので脳の活性化をサポートしてくれます。
チーズや生ハムなども、熟成の期間とともにうま味成分のグルタミン酸が増します。
お茶に含まれるテアニンもうま味成分の一つで、特に玉露や抹茶等に多く含まれています。
興奮を鎮めて緊張を和らげる働きと、心身をリラックスさせる効果を持っていますので、食べ物と一緒に楽しんでみてください。

 

・音を楽しむ

まず食べる環境にこだわってみましょう。
心地よい音楽を聴きながらならリラックス効果も高まります。
明るい会話も心のスパイスとなって心から満足することが出来るのではないでしょうか。
ぜひ何かしながらのながら間食を見直して、じっくりと食材や食べることを楽しんで欲しいと思います。

 

・食感を楽しむ

歯ごたえのあるナッツや炒り大豆などある程度堅さのある食品がおすすめです。
ナッツには心不全や動脈硬化など、心血管疾患の予防になることが知られています。
血液中の老廃物を洗い流し、酸素や栄養素を送り込む働きがあり、血行がよくなることで、美肌の効果があると言われています。

また食物繊維が豊富で、コレステロールを低下させる働きを持つ、大豆イソフラボンが豊富な「いり豆」をとりいれてみてはいかがでしょうか。
よく噛むことで満腹感が得られやすいので、ついつい食べ過ぎてしまう方にもおすすめです。

 

・見た目を楽しむ

カラフルな旬の果物が最適です。
ビタミンやミネラル、食物繊維はもちろん、果物の鮮やかな色素の中には、抗酸化作用があるポリフェノールが含まれています。
体の中で発生した活性酸素を中和する働きがあり、細胞の老化を防止するのでシミやしわをできにくくしてくれます。
イチゴやラズベリーのエラグ酸、黄色のみかんにはフラバノン、紫のベリーにはアントシアニンというポリフェノールが入っています。

また切りたての果物のフレッシュな香りは気分をリフレッシュするアロマも期待できます。

そしてきれいな盛りつけは食品の味を左右することもあります。
中身を見ずに袋から直接口に運んでいては五感を十分に発揮することができません。
ちょっとひと手間かけて見た目を意識してみましょう。

 

・香りを楽しむ

間食との組み合わせに温かいドリンクをチョイスしてみるのもいいでしょう。
紅茶、ほうじ茶、ジャスミンティやハーブティなど、その日の気分にあわせて香りも選べます。
蒸気と一緒に香りが引き立ち気持ちを静めるアロマの効果が期待できますし、温かい飲み物は胃の負担を軽減し食べ過ぎを防いでくれる働きもあります。

このように間食は五感を意識することによって、より満足感を上げて、楽しむことができます。
また思い出によっても味が変化します。
気の合う仲間や家族と笑顔で食べるなど「いつ」「どこで」「誰と」にこだわるとより充実した日常を過ごすことにもつながるはずです。

 

ぜひ五感を大切にしながら間食を楽しんでください。

※疾患による食事制限や肥満傾向にある方は、医師や管理栄養士とご相談の上お召し上がりください。

(管理栄養士 情野 祐子)