「第29回保険者による健診・保健指導等に関する検討会」が開催されました
2017年04月26日(水)
先日、厚生労働省検討会「第29回保険者による健診・保健指導等に関する検討会」を傍聴してまいりました。今回の議題は保険者インセンティブについてでした。内容をご報告いたします。
資料は下記、厚労省のサイトにアップされておりますので、ご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000163145.html
後期高齢者支援金の加算・減算については、健保の皆さまにとって、財政問題に関わる大きなトピックと思います。
現行の加算・減算制度については、実施前にはやはりいろいろな議論がされておりましたが、実際にふたを開けてみたら加算・減算対象や規模が少なかった、思っていたものと違っていたというような反応もあったようです。
今回の検討会では、平成30年度から実際に制度の見直しを行う、という厚労省の姿勢が改めて提示されました。
現行の制度では、異なる性格の保険者をひとくくりにしての加算・減算制度の建てつけが課題ともなっていましたが、今回の見直しでは、保険者ごとに基盤や特性が異なるため、それぞれの状況に応じた新たな制度へと議論されています。健保組合・共済組合、協会けんぽ、国民健康保険、後期高齢者医療制度、それぞれの保険者ごとの制度案の検討が進められました。
それでは以下、健保組合・共済組合の加算・減算の見直しについて、まだ検討中のようですが、主な点をお伝えいたします。
特定健診・特定保健指導は保険者の義務であるため実施率が低いことは課題であり、実施率を高めるために保険者の取り組みを促すための仕組みであること、また今後の課題である保険者と事業主が連携して健康増進へ取り組むこと、が重視されている内容ではないかと思います。
〈平成30年度からの見直し(案)〉
①支援金の加算(ペナルティ)
・特定健診57.5%(総合健保は50%)未満、保健指導10%(総合健保は5%)未満に対象範囲を段階的に引き上げる
・加算率は段階的に引き上げ(3区分で設定予定)、平成32年度に最大10%とする(法定上限)
・加算の指標には、特定健診・保健指導以外の取組状況(減算の指標の点数)を組み入れる
・平成30年度(平成29年度実績分)の加算額試算は約4.0億円
②支援金の減算(インセンティブ)
・特定健診・保健指導の実施率に加え、特定保健指導の対象者割合の減少幅(成果指標)、がん検診・歯科健診、後発品の使用促進、予防・健康づくりの個人へのインセンティブの取組、事業主との連携(就業上の配慮、受動喫煙防止等の取組)などの複数の指標で評価し、配点を積み上げて総合評価をする
・特定健診・保健指導は保険者の法定義務であるため、他の指標よりも評価ウエイトを重くする。
・減算率は最大10%~1%。3区分で設定する(現行案では、合計点数に応じて、10~5%、5~3%、3~1%の3区分)
・減算と加算の規模は同じ
③実施率の低い保険者の引き上げを促すため、第3期の中間時点で、加算の対象範囲、加算率の再計算をする
④特定健診・保健指導の実施率と減算(インセンティブ)の関係
内容についてはまだ検討中のようですので、今後の検討で固まっていくと思われます。
早い段階で固めたいとの意向もあるようですので、今後も注視していきたいと思います。