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「第24回保険者による健診・保健指導等に関する検討会」が開催されました

2016年09月28日(水)

先日、厚労省主催の「第24回保険者による健診・保健指導等に関する検討会」を傍聴いたしました。内容をお伝えいたします。
資料は下記サイトにアップされておりますので、ご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000137175.html

当日は、おもに以下について話がありました。
1. 第3期に向けた特定保健指導の見直しについて(課題の整理)
2. 第3期特定健診等実施計画における保険者の目標について

とくに2の、特定健診・特定保健指導の実施目標率については、健保の皆さまにとって、支援金に関わる問題でもあり、保健指導の計画を立てる上で関心が高いと思います。
特定健診・保健指導は、これまで平成20年度開始から8年経ち、制度が定着してきたものの、依然目標にはまだまだ届いておらず、平成30年からの第3期実施率も、第2期と同じくらいの目標となりそうです。
では以下に、今回の概要を報告します。

 

1. 第3期に向けた特定保健指導の見直しについて(課題の整理)

特定保健指導について、以下のような課題があげられました。
目的としては、実施率が伸び悩んでいるのを、いかにあげていくか、というところが大きいようです。とはいえ、第2期の見直し時から引き続いて課題となっているものが多いようです。

○特定保健指導のポイント制について
現在、積極的支援はポイント制(最低180ポイント)ですが、ポイント制に対して否定的な意見が改めて出ていました。(制度としてしばられる、ポイント達成が目的となり本来の保健指導が目指すところと変わる、ポイントを達成しなくとも効果が出る場合もある、等)
ポイント制については現在までの実施にあたり、議論が積み重ねられている課題ですが、第3期実施にあたり、ポイント制だけではなく、特定保健指導について、目的、意味と制度運用面をふまえて、もう一度根本的に考えたほうがよいのでは、という意見が出ました。

○情報通信技術を利用した遠隔面接について
今後、拡大していくかどうかは、まずは厚労省で実績(実施数、効果など)を把握することが必要では、との話になりました。
現在、厚労省では、実際に実施している健保は少ないと把握しているようです。

ほか、以下のような課題も出ていましたので、ご参照ください。

○特定健診受診当日の特定保健指導について
・対象者の利便性を考えると、健診受診当日に保健指導を受けられたほうがよい。また、実施率もあがる
・個別契約では当日の保健指導は可能だが、集団契約では難しい ※集団契約では血液検査の結果がすぐには出ないため
・個別契約(人間ドック等)では、すでに当日実施を行っているところもあるが、割合的にはまだ少ない。マンパワー的に、実際の実施は難しいところが多そう
・保険者側では、予算もあるので、特定保健指導該当者全員に実施はできないのが実情。当日実施になってしまうと、予算的にオーバーすることがある点は課題。実施する前に対象者の選定をしたい場合もある

○被用者保険から市長村国保への実施委託について(被扶養者)
・国保側としては、いきなり委託されてもすぐに実施はできないので、事前準備をきちんとしてほしい
・連携ができれば、実施率はあがる

○看護師が特定保健指導を行える暫定期間について
・実際、どれだけの看護師が行っているのかを把握するのが望ましいが、実際の運営体制上難しそう

 

2. 第3期目標実施率について

保険者全体、保険者ごとの実施率目標値の案が出されました。全体的に、第2期から据え置きの印象です。

○第3期実施率目標値(抜粋)
〈単一健保〉
特定健診: 90%以上(第2期目標と変わらず) ※H26年度実施率: 74.7%
特定保健指導: 55%以上(第2期目標:60%以上) ※H26年度実施率: 21.5%

〈総合健保〉
特定健診: 85%以上(第2期目標と変わらず) ※H26年度実施率: 68.0%
特定保健指導: 30%以上(第2期目標と変わらず) ※H26年度実施率: 10.5%

〈協会けんぽ〉
特定健診: 65%以上(第2期と変わらず) ※H26年度実施率: 43.4%
特定保健指導: 35%以上(第2期:30%以上) ※H26年度実施率: 14.8%

〈市町村国保〉
特定健診: 60%以上(第2期と変わらず) ※H26年度実施率: 35.3%
特定保健指導: 60%以上(第2期と変わらず) ※H26年度実施率: 23.0%

〈保険者全体〉
特定健診: 70%以上(第2期と変わらず) ※H26年度実施率: 48.6%
特定保健指導: 45%以上(第2期と変わらず) ※H26年度実施率: 17.8%

本日の検討会ではこの目標数値は出席委員に了承されていました。この目標実施率は、加算減算に関わってくる数値なので、国としてもなるべく早くまとめたいようです。

 

さて、1でお伝えした遠隔面談について、弊社では、いくつかの健保様でWebツールを使った遠隔面談を実施しております。
実施にあたっては、健保様と細かい調整等が必要となりますが、実際に実施してみて、腹囲・体重の減少、対象者様の意識変容等、効果も出ており、対象者様、健保様ともおおむね好評を頂いております。
運用面での課題は大きいと思いますが、遠隔面談の実施の拡大で、より保健指導実施範囲も広がっていくと思いますので、弊社としても注目していきたいと思います。