「第21回保険者による健診・保健指導等に関する検討会」が開催されました
2016年06月20日(月)
先日6月3日、厚労省にて「第21回保険者による健診・保健指導等に関する検討会」が開催されました。簡単に、傍聴した内容をお知らせいたします。
当日の資料は下記にありますので、ご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000126474.html
この検討会は、先日NEWS欄でもご報告した「特定健診・特定保健指導の在り方に関する検討会」とはまた別のメンバーで行っている検討会ですが、お互いに検討内容を反映させながら、2018年度からの第3期特定健診・保健指導に向けて見直しを行っています。
当日は、腹囲基準、問診項目についてが議論内容でした。
○腹囲基準について
当日の検討会では、腹囲基準については、変わらず第一基準、基準値も変わらず(男性85㎝以上、女性90㎝以上)で、現状通りということで落ち着きました。
ですが、先日の「特定健診・特定保健指導の在り方に関する検討会」の結果でお伝えした、非肥満のリスク保有者への保健指導についての話もありますので、腹囲の第一基準については、まだ厚労省や別の検討会との間で、意見がまとまっていないのではという印象も受けました。
ただ、本日は改めて、特定健診・特定保健指導は、
「基本的に内臓脂肪の蓄積に起因する生活習慣病を対象としており、内臓脂肪の蓄積に起因しないものは、特定健診・特定保健指導の対象外となっている」ことが示されました。
(「高齢者の医療の確保に関する法律」で規定)
非肥満のリスク保有者への保健指導については、もし行う場合は、特定保健指導の対象者としてではなく、別の枠組みで行うという話になっていくと思います。ただ、実際、行うかについても、昨日の検討会では懐疑的でしたので、今後の議論でまた決まっていくことと思います。
これまでの特定健診・特定保健指導の成果は出ており、まずは、今後も継続して特定健診・特定保健指導の徹底に取り組み、その上で、非肥満のリスク保有者への対策を行っていければよいと思います。
○問診項目について
現在22問ある問診項目について、削除したほうがよい項目、新たに設けたほうがよい項目について検討がありました。
・歯科衛生状況の確認に結びつくような質問を、数問盛り込みたい方針。
(案として、「よくかんで食べることができますか」など。詳しくは未定。)
背景として、生活習慣の改善では歯科衛生も重要だという考えから、歯科衛生関連の質問も入れたほうがよいのではということでした。
・内容の見直し後も、現在の22問と同数を予定(システム改修の負荷をかけないため)
すでに導入している現行のシステムの改修になるべく負荷(時間的・金銭的に)をかけない方針でいくようです。新たに増やした質問分は、現行の質問を削って数の調整をするとのことでした。
・回答者が回答しやすいよう、文言を修正していく予定
特に、階層化項目の服薬の質問について、血糖・脂質で実際には薬を飲んでいるのに飲んでいないと回答している人がいる、などの意見が出されました。
厚労省が用意した改正案(当日の資料に記載)に対して、本日は検討会メンバーからかなり意見が出ていました。
例えば、体重の増減や、運動の有無の質問を削除する案に対しては、「問診」は、特定保健指導の対象になるならないに限らず、健診者本人への「気づき」を提供するものなので、そういう点では残したほうがよいのではないかという意見がありました。
また、生活習慣改善、保健指導を受ける意思の質問削除の案に対して、実際の保健指導を行う上では、これらの質問の結果も見ながら対象者への指導を行うので、残したほうがよいという意見も出ていました。
弊社の保健指導でも、栄養士が対象者様の栄養指導を行う際には、問診結果の内容を参考にしており、よりお一人お一人に合った指導を進める一助としています。
改正にあたっては、ぜひ現場の声も盛り込んだものを期待したいと思います。
改めて構成員から案を集めて、改正案を作成し最終的には、夏頃には取りまとめがされるようです。